アメリカ 2016
監督 ルッソ兄弟
脚本 クリストファー・マルクス、スティーヴン・マクフィーリー



「アイアンマン」に端を発するマーベルコミックの「アベンジャーズ」へと至る関連映像作品は、数が多すぎて全ては追いきれてないんですが、それでもあえて断言しましょう、今のところ本作、間違いなくシリーズ最高傑作であると。

どう考えてもこれ以上のものが過去作にあるとは思えない。

もう、オープニングの戦闘シーンからして圧巻です。

私が最も感心したのは、CGを使うのは必要最小限に抑え、非常に細かなカット割りを高速でつなげることで肉弾戦の連続性を表現しようとしてたこと。

他にもこういう事をやってる人が居るのかどうかはわからないんですが、こんな方法もあったのか、と軽く衝撃でしたね。

異様な臨場感、痛みの伝わる緊迫感は、まるで試合会場に陣取ってスコープ越しにリングで拳を交わすファイター達の戦いを見ているかのよう。

物理法則無視になりがちな超人同士の戦闘風景に、現実味を持ち込もうとしただけでも賞賛されるべきだと私は思いますね。

シナリオの出来もすこぶる良い。

多くのヒーローものでは無視されがちな、とばっちりを食ってあえなく命を落としてしまった無辜の人々に焦点をあて、正義の独善性について言及。

いやね、そんな面倒なこと、普通はやらないですよ。

だって答えが出るはずないですもん。

なんとか答えをひねり出したとしても難解になるか、親和性が欠落してしまうかのどっちかに決まってますし。

そんなこと好んでやるのはクリストファー・ノーランのバットマンぐらいのもの。

ところが監督はそんな面倒なテーマを上手に物語の舵取りとして、それなりの落とし所へと観客を誘導しちゃうんですよね。

答えは出てないが、結果は明白にする、という、置換とでもいうべき筋立てですべてを納得させてしまうんです。

しかもそれがあっ、と驚かされる結末を経て全体像とする、という見事さ。

また、あまりにヒーローがうじゃうじゃ居すぎて自家中毒を起こしてしまったとしか言いようのない「エイジ・オブ・ウルトロン」の頭打ちな感じを、同士討ち、というアイディアで解決したのも実にうまいと思った。

もう敵は神ぐらいしか居ないんじゃないのか、って感じでしたしね、アベンジャーズ2は。

唯一残念だったのはせっかく権利関係がクリアになって登場したスパイダーマンが、あんまり頭の良くなさそうな青二才風に描かれてたことぐらいでしょうか。

まあ、瑣末な事ですけどね。

もうこの作品、アベンジャーズ3と言ってもいいぐらいの豪華な出来だと思います。

近年屈指の傑作エンターティメント。

マーベルヒーローズには詳しくないんだ、と言う人が見てもきっと楽しめるはず。

おすすめですね。





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