アメリカ 2008
監督、脚本 コーエン兄弟



偶然手に入れたCD-ROMが、国家機密に抵触するものだと早とちりした女の、無分別な行動をおもしろおかしく描いたコメディ。

勘違いが勘違いを呼んで、いつのまにか抜き差しならぬ状況へと事態は大混乱、ってのがいかにもコーエン兄弟らしい感じです。

そこはもう、わかっていてもニヤニヤしてしまう。

ブラッド・ピットのアホキャラや、ジョン・マルコビッチのキレキャラも良かったんですが、やっぱり一番ぶっとんでたのは「ファーゴ」で妊婦の警官役を演じてたフランシス・マクドーマンドでしょうね。 

ジョエル・コーエンの嫁だからこそ、ここまであけすけで頭の悪い中年女の役もこなせたのかもしれませんが、もう監督ね、全然きれいに撮ろうとしてないし、本人にもその気がない、ってのがすごいな、と私は思いましたね。

加齢をもネタに笑わせる姿勢はほとんどコメディエンヌ。

相変わらず壊れた人物ばっかりでてくるのも無条件で楽しい。

さあ、今からネタやりますよ、って風じゃないんですね。

その行動がそもそも変、ってところでじわじわ笑いを喚起するんです。

また、油断させておいて、終盤で思わぬ血生臭い展開を唐突に持ってくる手腕も見事。

飽きさせないフックの設け方がもはや名人芸の域。

これどうするんだ、どうやってまとめるつもりなんだ、と結構あわてさせられるんですけどね、それに対してもきちんと落とし所を用意してくるのがこれまた小憎らしい。

まあ、若干こじんまりまとまってしまった、どこか落語のサゲみたい、ってのはあったんですけど、ラストでそこにつなげるのか、という驚きはありましたね。

あまり適切な言い回しではないかもしれませんが、なんかこじゃれてる、と私は思った。

豪華キャストの割には小品なイメージもある作品ですが、 過不足なくきっちり出来上がってる印象をうけました。

誰が見ても楽しめる作品だと思います。

余談ですが、影の功労者はCIAの長官でしょうね。

こういうサブキャラが凄くいい味出してるのが彼らの映画の巧みさだと思います。





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