2014年初出 羽生生純
エンターブレインビームコミックス 1巻(以下続巻)



長野県にある日忽然と出現した謎の巨大不定形物体。

人や建物を下敷きに、一切の銃器や物理的排除を受けつけず、居座り続けて2年。

何もかもがわからぬまま政府はそれを自然災害と認定するが、唯一自然でないのはどうやらそれが生きているらしい、ということ。

時折分裂増殖するそれに呼応するかのように、5人の男女が天啓を受け、自分の意思とは別に肉体の巨大化を余儀なくされる。

何故巨大化するか。

それを「食う」ため。

猛烈な飢餓感につき動かされ、巨大不定形物体、通称「マンジュウ」と相対する5人は、果たして事態を収拾できるのか、ってのが物語導入部のあらすじ。

私の書いた文章を読んでるとどこかギャグっぽいものを感じたりもするかもしれませんが、デティールの細かさ、ストーリーの肉づけ方法等、驚くほど本気でSFです。

古い話で恐縮ですが、私は思わず小松左京の「物体O」を思い出したりもした。

作者がうまかったのは、そこに戦隊もの的な要素を付け加えたこと。

作中で自ら言及してますが、これもうエヴァじゃないか、という見方もできるかと思います。

ただし、エヴァと違うのは、羽生生純なりの笑いであったり、屈折したキャラの描き分けに変節がないままであること。

どこかふざけた調子ながら、こと、非日常の描写に関してのみは恐ろしく気を使ってリアリズムを損なわないようにしてるんですね。

非現実を非現実と感じさせない説得力がある、とでもいいますか。

これまで培ってきたドラマ作りのうまさが相乗効果的に作用してる、とも言えると思います。

いやこれ、マジで続きが気になって仕方ないですね。

マンジュウとはなんなのか。

そして5人はなぜマンジュウに対して飢餓感を感じるのか。

オープニングで描かれていた末世的世界は何を意味しているのか。 

千九人童子ノ件」以来の大傑作になりそうな予感。

気になるのは3年を経過して2巻がまだ発売になってないこと。

お願いだから続きを。

初期のばかばかしさをも内包した集大成になりそうな気がしてるのは私だけでしょうか。



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