2009年初出 諫山創
講談社マガジンKC 1~6巻(以下続巻)



しかしまあ、まさかここまで売れるとは、というのは今振り返るならありますよね。

確かに1巻が発売になった当初は私も熱中した。

まさか少年漫画でここまで大人をとりこにする作品がでてくるとは、と度肝をぬかれました。

はっきりいって絵は結構やばいレベルで下手だと思うんですけどね、それを踏まえてなお衝撃的だった、というのはありましたね。

やっぱりね、「もし人類に天敵が存在したなら」という仮定をこう言う形で漫画にした人って、今まで居なかったように思うんです。

特に作者が優れていたのは天敵を「人型の巨人」に設定したことでしょう。

パキッとクランチな音を立てて人類をポテチ感覚で食っちゃう巨人の漫画なんて、普通は思いつかないですよ。

思いついても発表することを躊躇するでしょうね、ちょっと用心深い人なら。

だってこれ、サイズこそ違えどやってることはカニバリズムに他ならないわけですし。

人が人を食う漫画なんて少年誌でやらかした日には、おかしなレッテルを貼られちゃうか、ジョージ秋山扱いされちゃうことはほぼ間違いない。

しかし諫山創は、それをわかっていたのかわからぬふりをしていたのか、あえて主筋を滅亡の危機に瀕する人類の勇姿を描くこととし、肝心のカニバリズムそのものは物語のミステリを担う部分として位置付けした。

そこで読者は勘ぐってしまうわけです。

どう見てもカニバリズム祭りわっしょい、のように思えるが、あえてそのような禁忌に抵触する危険を冒すことで、なにかもっと大局的なことを伝えようとしているのか?って。

私のことですけどね、はい。

まあ、賭けだったでしょうね。

結果的には大当たりしたんだから着眼点は正しかった、ということなんでしょう。

ただですね、最初のインパクトの強烈さがそのまま継続して物語の面白さにつながるか、というとそれはまた別の話で。

例えるなら、入場シーンの派手さ、目をひく奇抜さは強烈に印象に残るが、肝心の試合内容がどこか塩、とでもといいますか。

最初のアイディア、着想だけでだらだら巻を重ねちゃった感はどうしてもある。

なんかね、ドラマ作りが下手なんですね、この人。

キャラの立て方もあんまりうまくない。

総じて漫画家としての力量は決して高いレベルにあるとはいえない。

そこは編集部が一丸となって育ててやるべき、と思うんですが、どうも講談社は便乗商品を売ることに躍起になっててそのあたり、おろそかにしてるような気がしてならない。

正直な話、私、何度読んでも途中であらすじがわかんなくなるんです。

どうしてもストーリーに入り込めない。

出オチ、というと辛辣すぎるかもしれませんが、私は6巻で頓挫。

累計5000万部を売る作品ですから最初の6冊で判断すること自体が間違いなのかもしれませんが、大人を納得させるほどにはストーリーテリングが成熟してない、というのが私の結論。

まあ、少年漫画なんだからそれで当たり前なのかもしれませんが。

シナリオに協力してくれる人をつけるべきでは、と思ったりもするんですけどね、そう感じてるのは私だけでしょうか?

出足の凄まじさは素晴らしかったんですけどね、その分トーンダウンも早かった気がしてなりません。



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