1999年初出 井上三太
幻冬舎コミック文庫



自分の中にもう一つの殺戮者たる人格を持つ男の、狂った復讐劇を描いた作品。
 
映画にもなった作品ですが、結論から言うと特に印象に残るものはありませんでしたね。
 
いじめの問題に焦点をあてたことが世相を反映していてタイムリーだったかもしれませんが、これって、突き詰めるなら二重人格者の殺人を題材としているにすぎないと私は思うんです。

そこになんら新鮮味はない。
 
遡るなら、それこそジキル博士とハイド氏 ぐらいまでたどり着いちゃうわけで。
 
類似作は立ち腐れるほどあると思います。
 
どう見せるか、と言う点で従来と切り口が違うんで、なんとなく目新しかったように錯覚してしまいがちですが、実質やってることに独創性はない。
 
せめて13号を医学的に検証するぐらいの客観性があればまた違ったか、とは思うんですが。
 
絵柄に馴染めなかった、というのも私の場合、大きかった。
 
多分私がこの手の作品に求めるものと、作者が描こうとしているものは全然別物なんだろうな、とは思うんですが、それで見方が変わるまでには至らなかった、ってのが正直なところ。

すでに自分の作家性を確立している漫画家だと思うので、その感性に共感できる人向きでしょうか。



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