2013年初出 伊藤静
講談社モーニングKC 全2巻



一言で言うなら見事化けた、と思います。
 
薄甘い心優しさみたいなものは相変わらず主人公の性格設定に反映されてはいますが、それ以上に、まさかここまで人の心に潜む負の感情みたいなものをあからさまに描くだなんて想像すらしてませんでしたね。
 
これまでの作風をひっくり返してホラーに舵を切る意気込みにも感心。

まあ、いわゆるオカルト除霊ものなんでそこに意外性はないんですが、じっとりとした語り口や細やかな心理描写がなんとも薄気味悪くてね、ぐいぐいひきこまれるものがあるんですよね。

霊媒体質である主人公が霊を飲み込むことで除霊する、という発想、描写も生々しくていい。

これはちょっとこれまでになかったアイディアだと思います。
 
霊とコネクトするシーンのシュールな作画も狂気漂っていて良し。

特に第4話終盤の人形に囲まれた寝間のシーンは鳥肌がたった。

なんだこんなことができたのかよ、もっと早くやってくれよ、とうれしい悲鳴。
 
こりゃしばらく楽しめそうだな、と思ってたんですが、2巻を読んで唖然、突然の連載終了。

これが人気出ないのか、今は、と信じられない思いでいっぱいです。

伊藤静のひとつの到達点だと思うんですけどね、私は。

あーどこか別の雑誌で続きをやってくれないものか。

傑作だと思うんだがなあ。



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