1998 イギリス
監督、脚本 ガイ・リッチー



ガイ・リッチー監督のデビュー作にして出世作。

怪しげなカジノで闇社会の大物に莫大な額の借金を背負わされた若造4人組が、返済を迫られ、ギャングの上前をはねることを計画、それぞれの思惑が交錯する様子、そして大金の行方を、ユーモラスかつスリリングに描いたクライムサスペンス。

まあ、なんといっても評価すべきは精緻に編み上げられた脚本でしょうね。

三者三様の身勝手な行動が、おかしな巡り会わせで奇妙な接点を作る展開は鮮やかの一言。

おそらく何度もシナリオ校正を繰り返し、矛盾点、齟齬がないか、また、これで観客を本当に唸らせることができるかどうか、熟考した産物なのでは、と私は推測。

意外性とか斬新とかとはまたちょっと違う、とは思うんですが、監督若干30歳にしてどこか職人芸という言葉すら想起させるうまさがありましたね。

クライマックスで充分オチてるのに、エンディングでさらにもう一泡吹かせるサービス精神もいい。

ああ、なんかしゃれてるわ、と思った。

そりゃ、そうは簡単に物事は運ばないよ、と落胆させておきながら、最後は思わずニヤリとさせられる、ってのがセンスを感じさせる、とでもいいますか。

このタイプの作品で、なかなかこんな風に、観終わった後愉快な気分なれるのは少ないと思います。

タランティーノとの相似性が一部では噂されていたようですが、私の感触ではこりゃコーエン兄弟のクライムコメディに近いものがあるな、って感じですね。

隙のない構成や、小道具、伏線へのこだわりに近いものがあるような気がします。

若き日のジェイソン・ステイサムがなにげに出演しているのも今となっては注目でしょうか。

ヴィニー・ジョーンズのおかしな取り立て屋キャラも必見。

微妙に黄味がかった映像や、ストップモーションの多用等、ちょっと小ざかしいかな、と思う部分も若干あったりはするんですが、デビュー作でこれだけやれたら充分だと思いますね。

広い層が楽しめる秀作でしょう。





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