2009年初出 伊藤悠
小学館ビッグコミックススペシャル 1巻(以下続巻)



歴史改変ファンタジーというか、入れ替わりもの、というか。

冒頭の展開はSFっぽい感触。

悪霊と呼ばれる女戦士を主人公に据えるあたり、ヒロイックファンタジーがやりたいのかな、とも思う。

でもきっと目線のさきにあることは多分別。

12世紀モンゴル周辺の部族闘争を作者なりの観点で再構築したいのだろうと私は推測。

それにしてもマイナーな題材だ。

はたして12世紀モンゴルに興味のある人が今どれだけスピリッツ読者にいることか。

個人的な知識のなさも影響してか、実際物語に入り込みにくい、とは思った。

1巻まるまる全部使って、ほとんど話が進んでいないばかりかまだオープニングの段階、というのも評価を難しくさせている。

2巻から盛り上がってくるらしいんですけどね、うーん、期待していたのはこういうのじゃない、というのが正直な感想。

中断を余儀なくされた皇国の守護者で描ききれなかったことをこちらでやろう、という腹なのかもしれませんが。 

化けそうな気配は濃厚なんですけどね。

唯一言えるのは、伊藤悠はこの作品で漫画家としての高い力量を見せつけたばかりか、原作などなくても充分通用することをきちんと証明してみせた、ということ。

それはたった1冊読んだだけでもすぐにわかる。

結局はこのシリーズも私の好みがあれこれ邪魔をしてるのかもしれません。

絵柄も語り口も好きな漫画家さんなんですけどね。



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