ベトナム 2014
監督、脚本 ヌエン・クワン・ユン



ベトナム発のヒロイック・ファンタジー。

いや、もっとストレートに、ベトナム産マーベル、もしくはDCコミック、と言った方が妥当でしょうね。

そこはもうジャケットから想像するイメージそのままで、なんら裏切られることはなし。

失笑が漏れてくるほどスパイダーマンであり、アイアンマンへの憧憬がそのまま企画とかぶってます。

監督もそれを隠すつもりは毛頭ないようで、実際に作中でも両者について言及。

とんでもないことになってるのはその手のアメコミヒーローズな作風の模倣を、香港カンフー映画のスタイルでやらかしちゃってること。

やはりアジア圏における香港映画の影響って、かほどにまで強大なのか、とその地域性豊かなハイブリッドぶりに爆笑させられることは必至。

こりゃもはやパロディと言ってもいいかもしれませんね。

今は年とりすぎててちょっと無理でしょうけど、若い頃のジャッキー・チェンが主演を務めてても全然違和感ないです。

適度にコメディタッチで、エンドロールにNG集があるのまで同じときた。

はっきり言ってバカ映画です。

でもこういう発想を映画として実現させてしまう行動力はあたしゃ嫌いじゃない。

特に主人公である超人Xをゲイであると設定したのはすげえサプライズだった、と思います。

超人として活躍してない時は主人公、お気に入りの男性ミュージシャンのコンサートに出かけて前列で熱狂的に声援を送ってたりするんですよ。

絵ヅラにはらわたよじれる。

また、うまかったのは、ゲイであることが終盤の展開への伏線にもなってること。

嘘をつくんじゃない!と怒られるかもしれませんが、意外にもクライマックス、胸があつくなったりするんです、これが。

いやほんとに、マジで。

なんだこのスピルバーグみたいな家族愛と仲間の絆を描いたエンディングは、とちょっと涙腺がウルウルしそうになったのは内緒だ。

こんな映画でスピルバーグを引き合いに出してたら映画ファンから殺されるかもしれませんが。

間違いなくB級SFアクションで、ゆるい出来なのは疑いようもありません。

予算の都合か、VFXもチープだし、カンフー映画をお手本にしてる割には出演者の体のキレがいまいち悪いし、ワイヤーアクションの使い方もヘタクソ。

でもパロディとしか思えない序盤から、設定の特異さをいかして予想外の場所を落とし所としたシナリオライティングを私は評価したいですね。

潤沢な資金を用意してやったら意外と凄いものを撮るかも、と思ったり。

より、亜種なカンフー映画としての精度があがるだけかもしれませんが。

ちなみに予告編でややネタバレしてますが、主人公のオカン、要注目です。

勇壮なテーマソングも必聴だ。

いやー思ったより楽しめた一作でしたね。





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