1987~88年初出 伊藤潤二
朝日ソノラマハロウィン少女コミック館



<収録短編>
富江
富江part2
顔泥棒
バイオハウス
睡魔の部屋
悪魔の論理
屋根裏の長い髪

楳図かずお以降、目立った変革のなかった日本のホラー漫画界に新風を吹き込んだ天才伊藤潤二の、おそらく最初期の短編集。

絵柄は安定してないし、舌を巻く奇想もまだ見受けられませんが、すでにゆるぎなく本格ホラーです。

ハロウィンというとライトな読者層向けな安直さ、安っぽさが玉に瑕な部分もなきにしもあらずだったわけですが、誌風もなんのその、あ、これはなにかかが違う、と実感できるものがすでに偏在。

他を寄せ付けぬ才能の片鱗を見せつけてるのは間違いないですね。

特にこれといって突出した短編はないんですが「顔泥棒」のプロットは拝借してる(かぶってる)作品が後続にいくつかあるように思います。

のちに映画化もされた「富江」の最初期作も見逃せないかと。

なんともいえぬ暗い後味は後年の活躍を予感させるもの、と言っていいのではと思いますね。



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