アメリカ 2014
監督 アンソニー・ディブラシ
脚本 アンソニー・ディブラシ、スコット・ポイリー



移転が決定し、翌日には無人になる古びた警察庁舎で、最後の夜勤をたった一人で務める新人女性警官が遭遇した怪異を描いたホラー。

元ネタになってるのはジョン・カーペンターの初期作「要塞警察」。

そりゃあなた要塞警察が元ネタときちゃあ、見ないわけにはいかいない、ってなもので。

要塞警察はたった2人で警察署を砦とし、多勢の悪党ども相手にギリギリな命のやり取りをするプロットが秀逸なアクションでしたが、本作の場合は設定だけを拝借して筋立てをホラーに書き換えたようです。

ああ、これもありといえばありだな、と。

誰もいない深夜の警察署はなんといってもまず薄気味悪いだろうよ、という着眼点は悪くはない。

なにが怪異を引き起こしているのか、そこには獄中で過去自殺した宗教団体の幹部が関係しているようだ、とした謎めく展開や、シンプルながら恐怖をじわりと煽る演出も水準以上の出来。

特に中盤で登場する同僚男性警官が署に訪れるシーン、これはちょっと怖かったですね。

あれ、なんかこの役者演技がぎこちないなあ、とダイコン?と思わせておきながら、まさかそれ自体がひっかけだとは思わなかった。

まんまとしてやられましたね。

主役を新人女性警官としたのもうまかった。

不可解な現象に遭遇するたびに懸命に自分を鼓舞し、警察官の職務に忠実であろうとする初々しい姿はやっぱり自然と応援したくなってくるんですよね。

ただね、主演を務めるジュリアナ・ハーカヴィ、この人あんまり上手じゃないんです。

どうも何が起こっても能面気味というか。

それがせっかくの感情移入しやすい舞台設定を台無しにしてるのは間違いない。

そのせいもあってか、中盤以降はやや中だるみ。

前述した同僚男性警官のシーン以降は度重なる脅かしがだんだんくどく思えてきたりも。

もういちいち怖がらせようとしなくていいから一気に真相まで突っ走ってくれよ、と若干イライラ。

エンディングはまあ、なんとなくオチが読めた感はあったんですが、薄甘いハッピーエンドよりはホラーらしいか、といったところ。

異様に狂気漂うラストシーンは嫌いじゃない。

総ずるなら、要塞警察をこういう形でアレンジした発想は悪くなかったが、主演女優に足を引っ張られたのと、過剰な虚仮威しがややしつこすぎて興ざめ、でしょうかね。

せめて10分に1回は怖がらせないと、と監督が思ってたのかどうかわかりませんが、それが必ずしも緊張感にはつながらないし、むしろ平坦になりかねない、ということを熟考の上、再チャレンジを。

いいものもあった、と思うんで次作に期待。





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