アメリカ 2009
監督 アレックス・プロヤス
原案 ライン・ダグラス・ピアソン



50年前に少女が書いた数字の羅列が実は災害を予知したものだった、ってな前フリのSFサスペンス。

まあ、はっきり言っちゃうとベタです。

どこかで似たような話を読んだような?見たような?気がして仕方ない、ってのが正直なところ。

シャマランの「サイン」やジュリアン・ムーアの「フォーガットン」との類似性が 指摘されてるようですが、その両作品を持ち出すまでもなくよくあるパターンなのは明白。

だいたいこの手の予言を題材にした作品って、最後には人類存亡の危機へとお話を膨らませていくしかないんですよね、どうしたって。

近所の小さなボヤ騒ぎを予知したところで、サスペンスフルに盛り上げようがないわけですから。

そこはやはり本作も既出の類似作とほぼ同じで、終盤にさしかかるにつれ筋運びは終末SFの様相を色濃くしてゆきます。

それがつまらない、意外性に欠ける、と言う人の気持はよくわかる。

ただですね、プロヤスはそんなありきたりなストーリーラインをわかりやすくなぞりつつも、その道筋をどう肉付けていくか、ということに非常に心を砕いてまして。

母を亡くした少年と、その父親の、親子の関係性を描いたドラマを持ち込む手管は決して悪くはなかった、と私は思うんです。

予言を巡って暗躍する謎の男達との攻防が、本筋おいてけぼりでやたらスリリングなのは、そこに父と子の結びつきを再確認させる働きがあるからに相違ありません。

SFである以前に家族の再生の物語でもあるんですよね、この作品って。

またそれを強く認識させるのが、主人公と老いた父親が再会するクライマックスのシーンで。

これ、ちょっと衝撃的です。

やっと分かり合えたことと、救われなさ、それが渾然一体と同居してるんですよね。

生き物の命題が命を次世代につなぐことだとするなら、まさにそれを具現化した結末だといえなくもないんですが、まさかこうもバッサリ切り捨ててしまうとは、と私はいささか驚かされた。

安易にハッパーエンドとしないんですね。

それゆえラストシーンが、哀切に満ちてより神々しく光り輝いて見えた、というのは確実にあった。

少年が難聴を患ってる、という設定がオチへの布石になってるのも見事。

飛行機が墜落してくるシーンや、監督お得意の黒を基調とした色使いも充分な見どころ、と言えるでしょう。

目新しさはないが、思ったよりヴォリューミーでお腹いっぱいになった、そんな一作じゃないでしょうか。

ちゃんとSFを貫いてるのに私は好感を持ちましたね。





movie