アメリカ 2016
監督 ギャレス・エドワーズ
原案 ジョン・ノール、ゲイリー・ウィッタ



さて私は、実を言うと世間の熱狂ほどスター・ウォーズに興味を持ってはいません。

スター・ウォーズの1~3作目を見たのは確か学生の頃だったと思うんですが、それもリアリタイムではなく、後追いでVHSだったので、ほお、こういう内容か、程度の認識。

スペースオペラというジャンルを世界に知らしめた功績と、父親越えの命題を物語に持ち込んだストーリーの革新性は評価されるべきかと思いますが、それが好きかどうかというのはまた別問題で。

銀河を制圧せんとする帝国があって、反乱軍がいて、お姫様にナイトって、やっぱり初視聴時の80年代の頃にしてなんか古臭い、と思ったのが正直なところ。

SFは80年代、ニューウェイブを経てスチームパンクやサイバーパンク、ワイドスクリーンバロック等々、百花繚乱の様相を呈してましたしね、それらに脳髄をガンガン刺激されてた若い頃の私にとってスター・ウォーズはやはり古典で定番なヒロイック・ファンタジーでしかなかった。

その認識は今でもさほど変わってなくて。

悪い、ってわけじゃないんです。

ルーカスの映像に対するこだわりは当時にして凄まじいものがあった、と思いますし、この作品を無視してSF映画史を語ることなど言語道断だとはわかっているんですが、自分の中で特別視するほどの思い入れはない。

外側から眺めてる感じ、とでもいうか。

それは4~6作目を見ても変わらなくて。

ああ、ルーカスも衰えたなあ、としか記憶にはなく。

ですんで再始動を謳う7作目もチェックしてないし、見てないんですよね。

もうほとんど細かい内容を忘れてる、というのもあって。

そんな私がなぜこのスピンオフを見たのか、というとこれはもうひとえにですね、ギャレス・エドワーズが監督を努めていて、マッツ・ミケルセンとドニー・イェンが出演しているから、に尽きるわけでして。

エドワーズ監督のデビュー作「モンスターズ」が私、やたら好きなんですよね。

あの感性はスターウォーズにも生かされているのか、と。

ゴジラ」に失望しただけに、そこはもう余計に。

まあ、結論からいうとエドワーズやっぱり大作だめかも、というのが正直なところだったんですが。

物語はほとんど二百三高地状態です。

俺の屍を超えていけ、的な。

手のひらに収まるようなデータを届けるためだけに、あまたの勇者たちがその身を弾幕に晒していく「自己犠牲のヒロイズム」みたいなものに心揺さぶられる人がいるのはよくわかるんですが、やっぱりね、監督、人物描写が雑すぎる。

さっきまで言ってたこと違うじゃねえかよ、ってなキャラが居るのを含めて、ヒロインに帯同する奴らの心理が全然伝わってこない、というか。

特にドニー演じる盲目の戦士の描き方がひどい。

完全にただの変人。

フォースが我と供にあるのはいいんですが、それが何故命を賭して戦場へと足を運ぶことになるのかと。

しかもドニーの高速アクションに帝国兵、全然ついていけてないし。

なんのためのキャスティングか、と。

たぶんね、主要な登場人物4人の心の揺れ動きをもう少し丁寧に追うことって、できたと思うんですよ。

でもそれをさしおいて物語はド派手な映像に重点を置いていたりするんですよね。

パイロットの「腑抜けになる」という前フリはいったいなんだったんだ、というのも疑問でしたし。

期待してたマッツの出番が少ないのにも失望。

大味。

その一言ですね。

なにゆえ彼らはその身をささげてデス・スターの設計図を手に入れようとしたのか、そこに説得力を感じるのがヒロインの存在だけ、と言う時点で演出力不足。

あざとい、というと怒られてしまうかもしれませんが、手っ取り早い感動を用意しようとする手管が私にはいささか姑息に映りました。

ローランド・エメリッヒの映画かよ、と。

まあこれはこれで成功の方程式なんでしょうけど、私の期待するエドワーズやドニー、マッツはここには居ませんでしたね、残念。

ダース・ベイダーが最後のシーンで鬼のように無双なのだけは凄ええって感じで、ちょっと楽しかったですが。

すまん、ひどいやつだ私。





movie