イギリス/フランス 2005
監督 ガイ・リッチー
脚本 ガイ・リッチー、リュック・ベッソン



カジノの顔役にはめられて服役する羽目になった男のリベンジを描いた作品。

うんうんガイ・リッチーお得意の題材だね、さて今回はどう「あっ!」と言わせてくれるのか、と期待して見てたんですが1時間ほど経過した時点で確信しました、駄作であると。

まあ、前半は悪くなかった。

服役中に独房の両隣に収監されたチェスの達人とプロの詐欺師から学んだことを活かして釈放後、財を成し、敵役のドロシー・マカの取引をかき乱すくだりまでは。

主人公、余命3日と宣告されてなぜ高利貸しに自分の命運を預けるのか、その意味がさっぱり不明だったとしても、だ。

問題は後半ですね。

もうね、なにが起こってるのか全然わかりません。

やたらモノローグを挿入しだしたな、と思いきや、主人公の行動、マカの行動があからさまにおかしくなってくるんですね。

観念的なセリフをやたら使いまわした挙句、2人そろってただ情緒不安定なだけ、とでもいうか。

はっきりいって物語の体をなしてないです。

伏線とおぼしきもの、布石だと思われるもの、それらすべてを回収するどころか全部放置したまま心象世界に頭からつっこんでいった、みたいな。

クローネンバーグでももうちょっとわからんなりに筋道立ててくるわ!と思えるほどの混沌ぶり。

しかもそれが、シュールさであったり幻想的演出に傾倒していない分、絵的に楽しめさえもしないという苛立たしさで。

だからなんなんだよ、とイライラしっぱなしで迎えた唐突なラストシーン、私はもうただ脱力でしたね。

いやーひどい。

考え込みすぎというか、悩まなくていいことを悩みすぎというか、エンタメ至上主義のリュック・ベッソンが1枚噛んでいながら一体何をやってるんだ、と腹立たしいことこの上なし。

お粗末な実験映画クラスに独りよがりでしたね。

そんなにスウェプト・アウェイの失敗がショックだったのか、ガイ・リッチーよ。

あのシーンはどういう意味があったのか、とか想像して解き明かしてやる気すら起きんわ。

監督生命を絶たれてもおかしくないクラスで失敗作だと思います。

そもそもが料理を盛るべき器の選択を間違ってるし、煮込みすぎて素材の味が何処かへ行ってしまってる。

レイ・リオッタの熱演がただただ哀れでしたね。

髪の長いジェイソン・ステイサムが見れたことが唯一の収穫か。

今となってはよくぞこの映画が公開にこぎつけられたことよな、とその不可思議さに頭をひねるのみです。

もう許してください、と見てて弱音を吐きそうになった映画は久しぶりでしたね、うん、時間を返してくれ。





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