1995年初出 伊藤潤二
朝日ソノラマハロウィン少女コミック館



<収録短編>
画家
暗殺
毛髪
養女
滝壺

1冊まるごと富江シリーズのみ収録。

どの短編も甲乙つけがたい出来なんですが、着想なら「毛髪」、絵ヅラなら「滝壺」といったところでしょうか。

以前にも書きましたがもう富江、地球外から飛来した寄生生物クラスに強靭な生命力と繁殖力、感染力を誇ってます。

死ななないわ、分裂するわで向かうところ敵なし。

その美貌で周りの人間を全部狂わせていくパターンはおなじみですが、よくよく考えてみるといつも最後に惨殺されてしまうってのはこれ、ひょっとすると繁殖行為なのでは、と今回思ったりしました。

バラバラにされても個々に再生していくわけですから。

分裂した富江がお互いを憎む、という設定も種の繁栄を志向するプロセス、と考えれば腑に落ちる。

憎み合い、殺し合ったほうが、結果的に総数が増えるケースに恵まれるわけですから。

気がつけばいつしか地球は富江でいっぱいに・・・というのが決して描かれることのない本当のオチなのかもしれません。

血まみれで狂気に満ちてて今回もはずさない1冊でしたね。



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