アメリカ 1990
監督 キャスリン・ビグロー
脚本 キャスリン・ビグロー、エリック・レッド



新人女性警察官と無差別殺人犯の息詰まる攻防を描いたサスペンス。

いわゆる「刑事もの」ですね。

良くも悪くもそこから逸脱するものはない、ってところでしょうか。

おそらく主役を女性にすることで脱70~80年代的な目新しさを画策したんでしょうけど、今改めて見るとやっぱりなにかと古さはありますね。

警察組織の描写の仕方とか、上司と部下との関係性とか。

新人女性警官が、事件のひとつも解決したことがないのに関わらず、やたら鼻っ柱が強くて無鉄砲で、鉄のハートの持ち主、というのもやりすぎといえばやりすぎ。

強いヒロイン像を確立したかったんでしょうけど、初の巡回で犯人を射殺しておきながら別段死んだ男にはなんの興味を示さない女、って、心強すぎるだろうと。

補足的描写が抜け落ちてるだけなのかもしれませんけどね。

でもそこ、すごく大事だろうと。

最初から犯人が誰なのかわかってるシナリオも少し疑問。

犯人探しの謎解きに重点を置かないなら、それに代わる何かが必要だと思うんですが、どうするべきか定まってないんですよね。

アクションにしたいのか、心理ドラマにしたいのか、それともサイコスリラーにしたいのか、筋運びを追う限りではよくわからない。

しいては、せっかくの「女性警官が主人公である」と言う設定が今ひとつ生きてこない。

核になるものが物語にないから、終盤なんて中途半端なホラーみたいになってましたしね。

せめて犯人がなぜあのような凶行をしでかすにいたったのか、細かく人物像を掘り下げていればまた質感も変わったかと思うんですが、それもなし。

結果、はからずもテレビドラマのような凡俗さを呈す有様に。

派手な銃撃戦があったり、勇ましさを鼓舞するような演出があったりと、女流監督らしからぬ力強さはすでに健在ですが、総じてまだ未熟ですね。

せめてもう少し緩急があればなあ、と思ったりもしました。

あ、ジェイミー・リー・カーティスを実に魅力的に撮ってた点は評価されてもいいかも。

ま、監督の熱心なファン向けの1本ですね。





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