アメリカ 2003
監督、脚本 ロブ・ゾンビ



アメリカン・ヘヴィロックの雄、ロブ・ゾンビの初監督作品。

まあ、よくあるホラーと言えばそれまでですし、サイケデリックでクレイジーであの頃のスラッシャームービーに対する愛に満ちている、といえばそうかも、ですし。

とりあえず元ネタは間違いなく「悪魔のいけにえ」で。

悪魔のいけにえをロブ・ゾンビなりにリライトしたのが本作なのではないか、と私は思ったりもするんですが、色々小細工がこざかしい、と感じる部分もなきにしもあらずだったりはします。

当時、アメリカ本国ではMTVの延長、などと揶揄されたらしいんですが、言われてみればそうかも、と思う部分も確かにある。

なんかね、ストーリーの進行上、別に必要ないのでは、と思えるシーンがザッピング気味にいちいち挿入されるんですよね。

無関係な惨殺描写であったり、ノイズ加工された回想シーンであったり。

たまにならストーリーにフックをつける、流れを変える意味で効果的かとは思うんですが、ちょっと頻度が高すぎる。

だんだんイライラしてくるんですよね。

もういいからさっさと続きを映せよ!みたいな。

結局ちょっと遊びすぎ、ということなのかもしれません。

物語の説得力よりも、殺人鬼一家の凶行をどう放埒に描くか、ということの方に焦点があてられてる気がしますね。

そのおかげでピエロメイクのオッサンを筆頭に、一家を構成する連中のキャラクターはユニークにグロく印象的となったんでしょうけど。

ただ、長編映画に門外漢なミュージシャンが監督を努めた作品として見るなら、よくやってる方かも、と思わなくはないです。

少なくとも虚仮威し気味に中途半端な仕上がりにはなってない。

トリッキーだけど、こういうものを作るんだという指向性に迷いは感じられない。

本職の映画監督でもこれ以下のクソなホラーを平気で発表してる輩はいっぱいいますしね。

中盤で1箇所だけ、急に引きの画になったシーンで、はっ、とさせられた瞬間もありましたし。

格別新しいわけでも、型破りなわけでもないとは思いますが、光るものはある、そんな一作でしたね。

批評家連中はあんまり好意的に評価しなかったのに、興行成績は優秀だった、というのもなんとなくわかる気はします。





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