ロシア 2004
監督 ティムール・ベクマンベトフ
原作 セルゲイ・ルキヤネンコ



当時、ロシアのマトリックス、と呼ばれた作品。

まあ、罪なキャッチフレーズですよね。

というのも、別段内容的にかぶってると思えないから、なんですが。

マトリックスが仮想現実を題材としているのに対して、こちらは光と闇の最終戦争がテーマですし。

どちらかと言えば古いファンタジーの部類。

0年代にわざわざ映像化するようなものでもない、と思ったりもするんですが、ロード・オブ・ザ・リングの例もありますし、ま、そこは監督の力量次第なのかもしれませんけどね。

やはり、なぜか登場人物たちが好んでサングラスを装着する風体や、冒頭、婆さんがさも重要人物でもあるかのように異能を発揮するシーンがマトリックスを想起させた、ということなんでしょうね。

ああ、安直。

監督がマトリックスに多大な影響を受けていたのかどうかはわからないんですが、とりあえず、マトリックス云々は一旦横に置いておいて視聴にのぞんだほうがいいように私は思います。

あの映画みたいな感じ、を期待すると多分裏切られる。

どこかロシア映画独特の重苦しい質感があるんですよね、この作品。

退廃美に囚われたかのような映像表現が足回りを悪くしてる気がしなくもない。

それがかったるい、と言う人もきっと一定数居るでしょう。

ただ、私の場合、そういったロシア的な土壌の上に、異形の能力を持つもの同士の戦いを建築したミスマッチな感触にどこか惹かれるものがあった。

少なくともCGの扱い方は、従来のロシア映画とは比較するのも愚かしいぐらい達者だった、と思います。

今見ても古びてないんですね。

いかにも低予算でがんばりました風な安っぽさがないんです。

ちゃんと流れの中で、継ぎ目なくCGが有機的に機能してる。

これってお国柄を考えたら突然変異クラスの飛び級だと思うんですよね。

まあ、監督はアメリカで映画撮ってた経験もあったみたいだから、それが生きた、ということなのかもしれませんが。

でも経験を違う場所で活かせるかどうか、ってのは本人の資質なり能力なりが試されるに違いないわけで。

そこはベクマンベトフの才覚ですよね。

非凡だと私は感じた。

また、光と闇が停戦協定を結んだ後に、ルールを破るやつらを摘発する監視人たちの物語、というプロットも手垢ながらそんなに悪くない。

主人公の役回りを過去に遡って伏線としたシナリオもよく練られてると思いましたし。

アングラな手触りがいささか濃い目な映画ではありますが、よし、続編を見よう、という気持ちにはなりましたね。

ちなみにこの映画、3部作構成で次作デイ・ウォッチ、最終作ファイナル・ウォッチをもって完結、とアナウンスされてます。

なのでちょうどいいところで本作、お話が終わってます。

総括は全部見た後で、ですかね。





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