アメリカ 2017
監督 アンディ・ムスキエティ
原作 スティーブン・キング



なるほど、こうきたか、と。

キングの原作は読んでないんでわからないんですが、キングが小説でやりたかったことに近い出来なのでは、と私は思ったりしました。

特筆すべきは「怖さ」のみを追求することに拘泥していないことでしょうね。

学校や社会に上手に溶け込めない、訳ありな6人の子供たちの心の機微や友情を細やかに描くことに監督は心を砕いてる。

ホラーなテイストはいうなればトッピングみたいなもの、と考えていいでしょう。

物語の核としてあるのは、主人公たちの、子供であるがゆえのままならなさを噛みしめた苦いドラマであり、勇気を謳う冒険譚。

そりゃ広くに受け入れられもするだろうし、ホラー映画史上最高の興収も記録するわ、と納得。

どこか寓話的なんですね。

単に残虐だったり、悪夢的なだけでカタルシスを提供しようとしていない。

それはペニー・ワイズの顛末にも象徴されているように思います。

純然たる怪物や悪鬼、というわけでなく、子どもたちが成長していく上で乗り越えていかなければならないハードルそのものである、という解釈も充分成り立つように思うんですね、殺人ピエロ。

含みのもたせ方がうまいですよね、やっぱり。

ただね、私のようなホラーマニアからすると、どこか物足りない、というのは幾許かありまして。

だってスタンド・バイ・ミーが見たくてこの映画を手にとったわけじゃないですから。

よくできてる、と思います。

そこに反駁の余地はない。

けれど、これをホラーと言い切られてしまうのは少しばかりの戸惑いがある。

即物的な描写も辞さないダークファンタジー、と言ったほうが誤解を招かなくていいんじゃないかなあ、と思ったりもするんですが、さて、どうでしょうか。

ま、とりあえずは続編をどう落とすのか、本来の原作にある「大人編」の料理の仕方に期待ですね。

そこまで見て、初めて最終的な評価が下せるんじゃないか、という気もしてます。

個人的には、MAMA(2013)でその手腕に唸ったムスキエティが高い評価を得たのは単純にうれしかったりはするんですけどね。





movie