アメリカ 2017
監督 マーク・ウェブ
脚本 トム・フリン



数学に人並み以上の理解力を示す7歳の天才少女と、少女を扶養する叔父との深い心の結びつきを描いた人間ドラマ。

いや、驚きました。

マーク・ウェブ監督、こういうのも達者にこなすんだ!と。

アメイジング・スパイダーマン(2012)の印象しかなかったのでちょー意外でしたね。

やっぱりね、なにがうまい、って、少女メアリーと叔父フランクの関係性の描き方だと思うんですよ。

物語中盤で、フランクとメアリーが沈みゆく太陽を見つめながら戯れる、逆光のシーンがあるんですけどね、無理やり連れ出されたにもかかわらず、メアリーはフランクによじ登ったりとご機嫌なんですね。

それをシルエットと他愛ないセリフのやりとりだけで一場面とする。

二人の絆を印象づけるのに、こういうシークエンスを用意してくるセンスにあたしゃ脱帽でしたね。

説明してもらわなくたって、メアリーはフランクと居たほうがいい、って自然に伝わってきますもん。

その上で、子供の才能を延ばすためにはどうあるべきか、というテーマをかざしてくるんで、そりゃ見てて観客は真剣に考え込んじゃいますよ。

また脚本が実によくできてて。

メアリーのオカンも天才数学者だった、という背景を踏み台に、どうすることが一番良いのか、安易に答えを出しにくいように構成されてるんですよね。

それでいて、隠されていた真相を終盤に明かすという、サスペンスフルなギミックもある、ときた。

ともすれば平坦になりがちなこの手の人間ドラマにおいて、きちんと抑揚があって、事件もあって、落とし所も存在する、というのはなかなかできないことなんじゃないか、と思いますね。

都合よくハッピーエンドありきでストーリーが機能してないのもいい。

いや、バッドエンドなわけじゃないんですけどね「良かったけど、それはないわ、現実的に」とつっこむ余地がないんです。

それぞれの登場人物がそれぞれの着地点を得て、収まるべき鞘にちゃんと収まるんです。

終わってみれば、広げた風呂敷は大きかったけど「親子の確執」が裏テーマであり収束のための鍵だった、というのもなんとも鮮やか。

優れた作品だと思いますね。

少女を演じたすきっ歯のマッケナ・グレイスの伸びやかな演技もいい。

この手の映画の中じゃ頭一つ抜けてるように感じました。

オススメですね。