フランス 2003
監督 アレクサンドル・アジャ
脚本 アレクサンドル・アジャ、グレゴリー・ルヴァスール



アレクサンドル・アジャの名を一躍有名にしたスプラッター・ホラー。

郊外にある友人の実家で試験勉強に励もうとする女子大生の二人組を、なんの前触れもなく襲う殺人鬼の話なんですが、まあ中盤ぐらいまではよくあるパターンといえばよくあるパターンです。

田舎、アホな大学生、狂える無差別殺戮者、とくればスラッシャームービーの三種の神器ともいえる定形素材ですしね。

女子大生のコンビ、というのが少し観客の目線をそらせようとしてるのかな?と思ったりもしたんですが、ストーリーの進み具合がおおむねセオリーどおりなんで、さほど盛り上がるわけでもありません。

70年代のアメリカンホラーを通過してる人なら「飽きもせずにまだやるの?この手のを?」とあくびが漏れるかもしれない。

残虐描写はそれなりに派手で血飛沫飛ばしまくってまくってますんで、ゴアなファンからのウケはいいかもしれませんが、私みたいにホラー歴20年以上となるとどうしてもね、細かい部分での予算のかけ方なんかも気になっちゃったりして。

それなりに頑張ってる方かなあ、みたいな感じで、ついお茶飲みながら菓子食ったりとか、気もそぞろ。

ただですね、最後までありがちなまま終わらなかったからこそ、アジャはこの作品で名をあげたわけでして。

エンディング、予想外のどんでん返しが待ち受けてます。

なるほど、そうきたか、こりゃ騙されたわ、と膝を打ったのは間違いない。

でもね、揚げ足をとるようですけどね、このオチであっ!と言わせたかったのなら、前半でそれを匂わせる伏線なり、布石なりがなきゃダメなんじゃないか?と私は思うんですよね。

確かに驚かされました、けど取ってつけたような印象はどうしたって濃い。

監督だけがわかってました、じゃどうしようもないわけです。

ヒントは散りばめておきました、読み解けましたか?と問いかけて、畜生!あれがそうだったのか!悔しい!気づかなかった!と見る側に地団駄を踏ませてこそ大成功なのであって。

後ろから蹴飛ばして歩いてる人を落とし穴に落下させてドッキリ成立じゃ、おかしいですよね。

それ、単なる事故ですから。

やりたかったことはわかるし、切り口はおもしろかったが、まだ色々と未熟、というのが私の総論。

これまでにないスラッシャームービーを作ろう、という意気込みは買いますが、ここからワンステージ上に行くにはまだまだ熟慮と研鑽が必要、といったところでしょうか。