アメリカ 2018
監督 ルッソ兄弟
脚本 クリストファー・マルクス、スティーブン・マクフィーリー



全世界で空前の大ヒットを記録したアベンジャーズ・シリーズの第3弾。

マーベル・シネマティック・ユニヴァースの作品としては19作目の作品にあたり、ブラックパンサー(2018)の次の公開作、となるわけですが、全部順番に見てなきゃストーリーがわからないか?というと、そうでもありません。

現に私はアベンジャーズの第2弾、エイジ・オブ・ウルトロン(2015)を見てないんですけど、それほど困ることはなかったですね。

ただ、物語のおおよその流れを把握する上で、キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)、マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)は見ておいた方がいいかもしれません。

でないとなぜアベンジャーズ同士、仲違いしてるのか全くわからない、なぜいきなりお話が宇宙から始まるのか理解できない状態になると思います。

ま、続き物のようで、単独作品として見ても大丈夫なよう配慮がなされてるんで、面倒くさければ飛ばしてもいいと思ったりもしますけどね。

細かな設定を除外するなら、シナリオ自体は非常にシンプルです。

ビッグバンによって生まれた6つの石を手に入れて、宇宙を支配しようとしてる悪者にアベンジャーズが挑んで野望を阻止しようとする、というだけの話。

もはやスペース・ファンタジー。

今どき少年誌でもここまで真正面から宇宙を舞台に大活劇をやらかしたりはしないと思う。

ネタとしてはなんの新鮮味もないどころか、どう考えても60年代的三文空想芝居なんですけど、これを資金力と小さなドラマの積み重ねで鑑賞に耐えうる出来にしてしまうのがマーベルの恐ろしさであって。

ヒーロー大集合、数年に1度のマーベル祭り!みたいな様相も、そういつまでも続かないんじゃ・・・と私は踏んでたんですが、まだまだこんなものじゃないから、と毎回フルスロットルで勝負かけてくる姿勢にはほんと感心しますね。

とりあえず登場人物一人ひとりの描写が丁寧なのは秀逸だった、と思います。

とりこぼさないんですよね。

キャプテン・アメリカとアイアンマンという2つの軸を中心に全部回していく、という感じじゃないんです。

特に私がすごいな、と思ったのはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々の描き方で、ジェームズ・ガンが作り上げた軽妙でコミカルなスタイルを全く壊すことなくアベンジャーズに溶け込まさせているんですよね。

やるな、ルッソ兄弟、と。

彼らの並々ならぬ力量が陳腐なプロットを大化けさせてることは間違いない。

二人はものすごく細かいところにまで気を配ってる、と思います。

そりゃもうトータルとして普通に水準以上の出来であることは私も否定しません。

ただね、じゃあこれが期待にそぐうものであったか?というと少しひっかかるものがないわけでもなくて。

気になってるのは私だけなのかもしれませんが、個人的には宇宙大戦争より、キャプテンとアイアンマンの仲違いの原因である「正義の所在」「スーパーヒーローのあり方」についてテーマを煮詰めていってほしかった、とどうしても思ってしまうんですよね。

そこをうやむやにしちゃうとアベンジャーズそのものの意義が消失してしまうわけですから。

あと、細かい話ですが、銀河系内に文明が存在して宇宙人が跋扈しているというのに、政府や軍はなにをやっているのか、というのが非常に気にかかりまして。

ヒーローに任せてる場合じゃねえじゃねえかよ、と。

ファーストコンタクトどころの騒ぎじゃないわけですよ、これって。

ちょっとね、スケールが大きくなりすぎたあまりに現実味が霧散気味なんですよね。

また、次のアベンジャーズ4(2019年発表予定)によってこの物語は完結とする、という構成もいただけない。

ここは一気に最後まで見せきるべきだろうと。

1年以上のスパンは長すぎますよ、やっぱり。

前編、後編での同時公開も可能だった、と思うんですよね、ディズニーなら。

質は高いが、どこか内容がデフレーション起こしてないか?と言うのが正直な感想。

続編で全部フォローしてくるのかもしれませんけどね。

ヒットする理由はわかるけど、はたしてどこまでついていけるか、自分の中で懸念材料も残る、といったところでしょうか。

まあ、普通に「面白かった!」でいいのかもしれませんけどね。

DCコミックに比べりゃそりゃもう、アレなわけですし、うむ、すまん。