昨日トレヴァーホーンについて書いたんで、今日はついでだからYESについて書こうかな、と。

さてYESというと、世にプログレという音楽を広めた英国5大バンドの内のひとつ、なわけですが、実は私正直にいいますとね、あんまりYESは得意分野ではないんです。

いや、プログレ大好きですし、YESはthe yes albumからマグニフィケイションまでなら全部聴いてるんですが、率直に言いましてカタルシスを得にくい音だと私は思うんです。

あえてセオリーを踏み外した末に、意図的に気持ちのいいところにいかないようにするコードワーク、構成の作為があるというか。

それこそがYES、といわれればもうなにも反論できないんですが、 とっつきにくいのは確かだと思うんです。

それこそドライヴの最中になにげに聴いていたら、今どの曲のどの部分なのか、間違いなくわかんなくなっちゃう。

集中して聴かないとその良さはわからない、というのは、ある特定のプログレバンドに共通するステイトメントかとは思いますが、知名度の高さの割にはYESはそれがほかの嚆矢たるバンドと比較しても突出しているような気がします。

まあクリムゾンもわけがわからないこといっぱいやってるといえば、やってるんですが、あれはまた別の意味合いの話だと思うのでここでは割愛。

ではなぜ私はそんなとっつきにくいサウンドを好んで追い続けたのか、という話なんですが、実はこれ「いったいなにをどうすればこのような曲になるのか」というのが不思議でならなかった、というのが最初の動機だったりするんですね。

普通のロックミュージックって、たいていはギターから作って、そこに他のパートを重ねていく、というのがソングライティングの手順かと思うんです。

まあキーボードから、というケースもあるでしょう。

でもベースやドラムから、ってのはほとんどないように思います。

で、YESの場合ですね、私は楽曲を聴いていて、そのどのパターンも当てはまらないような気がしたんですね。

普通にギターから作っていて、こんな曲になるか?と。

一体どうやってるんだろう?それが気になって仕方なくて、気がついたら延々カタログを追っていた、というのが実は本当のところなんです。

でもおかしなものでね、そうやって恒常的にYESを聴いていると、なんだか、あれ?これはこれで凄く気持ちがいいのでは、と思えてきたりするんですよね。

まあYESに触れた経緯がそんな感じですから、そこを具体的に説明せんか!といわれても言葉で表現できなかったりするんですが。

もどかしくて面目ない。

ただね、ひょっとするとその説明不可な部分こそがここまで世界に名を知らしめたYESのマジックなのかもしれない、と思ったりすることもあります。

で、おすすめの1枚は、というと、これはもう迷いなくこのアルバムです。



このアルバムをオススメする理由は本当に簡単でして、Siberian Khatruが収録されているから、その一言に尽きます。

カタルシスを得にくいYESサウンドの中にあって、何故かこの曲だけが畑違い気味に情熱的で、印象的なメロディに溢れ、 それでいてYESらしさを失っていない、というギリギリのバランスの上で成り立っているように私には感じられるんですね。

私はYESが先鋭的だったのは1980年まで、と思っていますが、世に有名な「こわれもの」より、ここから入った方がきっとYESのよさをより理解できるのでは、と思います。

余談ですが一番の駄盤はTales from Topographic Oceansだろうな、と。

他の70年代のアルバムは、最初期を別にすれば、私の感覚ではどれも大きく差はなし。




70年代、恐ろしいほどの数のフォロワーバンドを全世界規模で産み出したYESですが、ではそのYESらしさとは結局なんであったのか、私の中ではいまだ答えは出ていません。

サウンドを解体できないできないバンド、それが私にとってのYES。

でもなんか無視できないし、そ知らぬ顔で通り過ぎる事ができないし、なんか聴いてしまう。

実は私にとってものすごくやっかいな存在、なのかもしれません。



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