ドイツのバンド、と分類してますが、厳密にはカナダ出身でドイツを拠点にしているグループ。

これまた巷ではプログレハード、と言われていたりしますが、私の感覚ではプログレ的なものってあんまり多くないように思うんですけど、違うんですかねえ。

空間処理の仕方や楽曲の演出がプログレ的、と言われればそうかもしれませんが、隠し味程度、と私は感じています。

特に出世作となったworlds apart、これ、どっちかと言うと当時流行り始めてたニューウェイブ寄りだったりします。



ルパートハインのプロデュースのせい、という側面は過分にあるんですが、私、後追いで聴いてthe fixxかと思いました。

同傾向heads or tailsもいいアルバムなんですけど、私が思うにSAGAがらしくなってきたのは89年のthe beginners guide to throwing shapesから。



なまじルパートハインな音作りで成功してしまったがために、バンド本来の持ち味とは違う部分で迷走を続ける状態が長く続くんですが、初のセルフプロデュース作品である本作は、ルパートハインの持ち込んだものを消化吸収しつつも、バンドとしてやれることを前面に出した画期的1枚だと私は思ってます。

イアンクリックトンの要所要所で切り込んでくる精緻なギタープレイが恐ろしくかっこいいです。

元々高い演奏レベルにある人たちが、リミッターをすべて開放した印象。

でもそれが野放図にはならないんです。

コンパクトで聴きやすい楽曲群ながら、さりげなくテクニカルで、常にオーバーワークにならない冷徹な目線がある、とでも言えばいいでしょうか。

続けて発表されたthe security of illusionも好盤。



が、その次に出したアルバムsteel umblerasが中途半端な出来で、再びSAGAは停滞期に。

なぜだかわからないんですけど、このバンド、名盤を出したか、と思うとなんだこれ?っていうような堕盤を出す、というサイクルなんですよね。

停滞期は2000年ごろまで続きます。

その間にgenelation13という25曲収録のロックオペラアルバムを出しているんですが、これ、気になるんですけどアルバムを入手できなかった。

私の調べた限りではamazonでもリストにありません。

SAGAがようやく安定してくるのはfull circleから。

 

以降のアルバムは、多少の波はあるものの、どれも必ず光るものがある作品ぞろいです。

ハードロックに分類されることもよくあるSAGAですが、誤解を恐れずに言うなら、私の中でSAGAというバンドはキャッチーだけどフュージョンにも似たクールさがある独特なグループ、というイメージです。

日本では恐ろしく知名度が低く、アルバムも入手しにくい状況ですが、それでも苦労して聴いてみるだけの価値はある、と私は思っています。 

ちょっと居ないですよ、こういうロックバンド。



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