異論噴出でしょうが、私はこのバンドを、プログレというジャンルの「型」を作ったバンド、と認識しています。

どういう素材を用意して、どういう手順、図面で組み立てればこうなるか、それを初めて世に提示したのがクリムゾンではなかったか、と思うんですね。

ロックの構造改革、といえば伝わりやすいか、と。

余談ですが私の中で、YESはプログレの「質感」です。 

フロイドは「情感」。

ジェネシスは「飄々たる旋律」。

さしずめEL&Pは「欠落を欠落と感じさせぬ異相の完成品」でしょうか。

とりあえず「21 century schizoid man」、この1曲が根こそぎ時代を変えたのは間違いないです。

ロックにジャズのフレイバーを持ち込んで、複雑怪奇に展開する7分21秒、69年当時にして衝撃以外の何者でもなかったように思います。

クリムゾンがすごかったのは、これだけのことをやってのけながら、そこに整合性を感じさせたことでしょうね。

はみ出すピースや、余るピースがあったっておかしくないのに、量ったかのようにすべてがピタッ、とひとつの器に収まる。

常人の所業ではありません。



クリムゾンといえばメロトロンもそのサウンドを彩る特徴のひとつですが、それを含めてこのアルバムは完成しちゃってる、と私は思います。

暴論かもしれませんが、以降のクリムゾンはいかにしてこの1stの呪縛から逃れるか、の試行錯誤だったように思います。

まあその試行錯誤の渦中でとんでもないものがひょっこり顔出す、ということも多々あったがゆえに、その評価を不動のものにしたと言えるのでは、と私は考えるわけですが。



ちょっととっつきにくいアルバムですが、太陽と旋律、これも強烈な内容です。

即興性にこだわる部分はよほどの音楽通でないかぎり楽しめない、と私は思うのですが、ヘヴィさに肉薄した側面のみを検証するなら、太陽と旋律パート2、これ私の感覚では世界で最も早かったドゥーミーなデスメタルです。

こういう事をやるからクリムゾンはあなどれない。



これまでのクリムゾンの自己模倣、という側面もありますが、REDもなかなかの名盤。

ジョンウェットンのポップセンスがロバートフィリップの先進性と横綱相撲。



ウェットでメロトロンなクリムゾンサウンドが好きな人たちからは総スカンをくらっているアルバムですが、私は80年代クリムゾンにも結構な衝撃を受けていたりいます。

無機的な反復フレーズをマシンに頼らず強引に人力で再現する手法は、当時流行していたエレクトロポップ、ダンスミュージックへの強烈なアンチテーゼだった、と私は思っています。

スタイリッシュに聴こえるが、実験性を問うならこれほどロックな代物はないのでは、と興奮したことを記憶しています。


長い歴史を誇るバンドながら寡作であるが故に、ロバートフィリップのキャラも相まって、半ば信仰と化しつつある側面もファンにはあったりするんですが、常にひとつのところにとどまろうとしない姿勢はまさにプログレである、と私は思います。

さて私が生きているうちに新作は出るのかどうか・・・。

ここで最後にもう一度だけびっくりさせて欲しい、というのはやっぱりありますね。



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