アメリカ 2012
監督、脚本 ウォシャウスキー兄弟、トム・ティクヴァ
原作 デヴィッド・ミッチェル



なんだこれ、ってのが見始めて15分ぐらいの感想。

全く予備知識なしで見たんです。

ですんで、入れ替わり立ち代り進行するストーリーがですね実は6つある、ってことがまず把握できないわけです。

おそらくこれは最後にはすべてがひとつのところに収斂するのだろう、と予想して集中するんですが、おおよその個別なストーリーを掌握するまで私の場合、ゆうに30分はかかりました。

せっかちな人は最初の数10分でおそらく匙を投げる、と思います。

確実に見る人を選ぶ映画。

ただね、やっぱりウォシャウスキー兄弟が噛んでる、と思うとですね、どうしても、もう少し辛抱してみよう、などという心理が働いたりしちゃうわけです、私の場合。

結局描きたかったのは時空を超えたカルマみたいなものであり、輪廻転生みたいなものだったんだろうなあ、と、思うんですが、見終わって思ったのは、だから結局なんだったんだ、でした。

それぞれに印象に残るシーンや、あ、これはなんかかっこいい、と思う独特の世界観があったりはするんです。

ただそれが点のままつながらない。

テーマとして一貫しているわけでもない。

乱暴な言い方をしてしまうならね、これは手塚治虫の火の鳥とやってることはほぼ同じだと思うんです。

でもそこに火の鳥という狂言回し、傍観者がいないこと、仏教観を礎とした生に対する問いかけがない事が、この作品をどこかサイズの違うパーツを強引にかみ合わせた寄木造りのように見せかけてしまっているんですよね。

こういう試みは私非常に好きなんです。

好きなんですが、どこかとどいていない、と言うのは事実。

壮大な叙事詩、なんていわれそうではありますが、こだわるべき部分がいささかズレてしまったのでは、というのが率直な感想。

1人何役もこなす出演陣の多彩な演技とそれを精緻に組み立てた構成は評価したい、と思いますが、その先までは余力が及ばなかった、といった印象。

うーん、嫌いじゃないんですけどね。





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