イギリス 1964
監督 ロマン・ポランスキー
脚本 ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ



ひたすら不穏な映画です。

なんだか神経質そうで人付き合いの苦手そうな女が徐々に精神を蝕まれていくのをじっくり描いた作品。

色んな小道具や、妄想と思われるシーンを巧みに使い、狂気を演出する手法はさすがに非凡なものを感じさせますが、シナリオが弱い、というのは否めないところでしょうか。

そもそも主人公のキャロルは一体何に怯えているのか、ってのがよくわからないんです。

潔癖症なのかな?と最初は思ったんですが、どうもそうではなさそう。

見進めていくうちに、どうもセックスに対する忌避感があるようだ、と気づくんですが、そんな曖昧な動機であれだけのことをしでかしてしまうのか?と、思ったりもしますし。

ラストも特にオチはなし。

早い話が、精神的にもろい女性が、1人になったことを引き金に暴走しちゃった、というだけの作品なんですよね。

あえて雄弁に語らないことで伝わる怖さは確かにありますが、反面、感覚的で起伏に乏しい内容になってしまったのは確かです。

ここから色んなものを感じとる人もたくさんおられるんでしょうが、後年の活躍を鑑みるに、私の位置付けとしてはやはりまだ開花前夜ですね。





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