アメリカ 2012
監督 ノア・バームバック
脚本 ノア・バームバック、グレタ・ガーウィグ



なんだかもう自分がこれまで歩んできた人生と色々重なるものがあって、胸が熱くなってしまいました。

描かれているのはまだ何者でもない一人の女性のダンスにかける青春です。

とはいえ、感動大作風に、ひたむきで懸命な成功へのプロセスがシリアスに描写されている、というわけではなく、 主に物語として綴られているのは主人公の日常であり、彼女を取り巻く人たちとの会話劇なんです。

主人公、ちょっとおとぼけ気味です。

前向きでアッパー系な性格なんですけど、どこかちょっとズレている、というか。

そんな彼女の生活に少しづつ変化が訪れてくるんですね。

ルームシェアリングしていた親友が結婚して家を出て行ったり、出演できるもの、と思いこんでいた舞台からはずされたり。

夢を食んで、友と語らい、ずっと続くはずだ、と思っていた日常が、少しづつ大人になっていく周りの人間達とリアルな現実から徐々に置き去りにされていく。

気がつくと、1人で部屋に寝そべっている、取り残された自分が居る。

なぜ変わらないといけないのか、なぜ自分はこんな状態になっちゃってるのか、彼女にはわからない。

エンディング、彼女はひとつの決断をします。

私の涙腺が決壊しそうになったのは、その決断が招いた結果を、彼女は一番誰に見てほしかったか、語るシーンです。

成功を得ることよりも、夢を実現しようとはりきってる時間のかけがえのなさをこの作品は滔々と語りかけます。

濃厚なドラマ、というわけでなく、どちらかといえば小作品風のとてもかわいらしい映画ですが、私はひどく共感してしまいましたね。

忘れようにも忘れられない、自分の中でとても大事だった時間にそっと触れたような気にさせてくれる作品でした。

なんだか色々たまらなくなっちゃいましたね。

名画というのとはちょっと違うかな、と思うんですが、大好き、と素直に言える1本です。

仲間となにかを志していた人に是非見てほしい、と思います。





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