1951年初出 手塚治虫



HGウエルズの「来るべき世界」とは無関係。
 
天変地異による地球滅亡の危機を怪生物フウムーンと絡めて描いた終末SF。
 
本作は後に「フウムーン」のタイトルでリメイク、アニメ化されています。

あっちへふらり、こっちへふらりと寄り道だらけのストーリーで、まあ、時代も時代なのでそのあたりはしかたがないか、と思うんですが、正直前半は散漫な出来。
 
俄然熱を帯びてくるのは滅亡の危機が直前に迫った後半で、特に講談社全集版140ページのワンシーンには「これが昭和26年の漫画か!」と鳥肌が立ちました。

恐ろしい皮肉さでもって、とんでもなくやるせないヒトコマ。

これにはちょっと仰天しました。
 
漫画の技法自体がまだ確立しているとは言いがたい時代の作品なので、あれこれ古さは感じますが、それを全部ひっくり返すほどテーマは斬新であるように思います。

そりゃこんなの子供時代に読まされたら手塚信者にもなっちゃうでしょう。
 
あとはエンディングの残酷さ、身勝手さが、あまりにあっさりと描かれていてびっくりってなところでしょうか。

初期の傑作にカウントされて良い作品だと思います。




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