カナダ/スペイン 2013
監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作 ジョゼ・サラマーゴ



近年注目してる監督の1人ですんで、相当な期待はあったのですが、これまで数々の素晴らしい作品を撮っておきながら、今更こういう方向性の作品を撮るのかよ、と幾分落胆した1本がこれ。

こういう傾向の映画は若いうちに一通り済ませておいていただきたかった、というのはありますね。

はっきり断言しちゃいますが、最後まで見てもなにがなんのことやらさっぱりわかりません。

容姿や声だけでなく、体についた傷跡までがそっくり同じ男と出会った主人公の混乱を描いた作品なんですが、サスペンスとして仰天のオチが待っているわけでもなく、SFチックに、ありえない展開に呆然とさせられるわけでもありません。

は?なんだそれ?とあっけにとられるラストシーンで突如作品はエンドロール。

これ、1回見ただけですべての意味がわかった、と言う人が居たら私はお目にかかりたい。

妙に不安感を煽るシーンばかりが続く、さくさくとストーリーが進まない作品だなあ、とは思ってたんです。

なにを示唆してるのかさっぱりわからないモノローグが2度繰り返されたり、宇宙戦争に出てきそうな多足型の化け物が街に立つシーンが挿入されたりと、なんとなく嫌な予感は前兆としてあった。

ま、予感はあたっちゃったわけですけど。

公式サイトを見て、やっと私は監督の意図することを理解することが出来たんですが、これね、わかんないですって、普通は。

もちろんそういう風に深読みすることは想像を展開させることで可能でしょう。

でもやっぱり突き放しすぎ、と私は思うんです。

さらに重箱の隅をつつくなら、そういう意味合いの作品にしたかったのならですね、後から見て、ああそれで2人で会ってるシーンはああいう細工があったのか、ぐらいのことはやっぱりして欲しかった、と思う。

全部日常の延長線上を描いているかのような描写で現実の外側を観客にわかれ、というのは、やはり、どのようなギミックを使うべきなのか、監督の想像力、テクニックが届いていない事実を表しているようにも私は思うんです。

ありていにいうなら非現実を演出し慣れていない。

色んな意見はあるかと思うんですが、私はこの作品、ちょっと独りよがりかな、と思いましたね。





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