1982年初出 手塚治虫



ファンタジー仕立ての長編SF。
 
中世的世界観を下敷きにしたファンタジーって、リボンの騎士以来ではないか、と思ったりもしたんですが、リボンの騎士はあれはあれでまた別物か。
 
やたら露出の高い主人公のコスチュームは当時アニメにもなって人気絶頂だったコブラへの対抗心か、それとも時代に置いていかれまいとしたのか、どちらにせよ、先生、全くエロくないです。

まあ、ここは微笑ましく受けとめるしかないのでしょうなあ。
 
中盤ぐらいまでは類型をなぞりながらも緊張感のある展開で非常におもしろいんです。

びゅんびゅん話が飛びまくるんで耐性のない人はついていけない可能性もありますが、私はこういうの嫌いじゃない。
 
問題は終盤。

うまくまとめられなかったのが如実に伝わってくる、全てをご破算にするかのようなエンディングには正直失望。

先生が単行本化を許可しなかったのがよくわかります。
 
いずれ書き直す予定だったらしいんですが、その前に亡くなられてしまい、改訂版は永遠に日の目を見ることなく結局連載当時のまま出版へ。
 
言っても仕方のないことではあるんですがが、これをどう手直しされるのか、見てみたかったですね。

連載途中に90分アニメ化もされたんで、決して人気がなかった、と言うわけではないと思うんです。

化ける可能性は大いにあったと思います。

死の直前まで、本当にお忙しかったのだろうなあ、と在りし日に思いを馳せたりする作品ですね、私にとっては。




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