アメリカ 1976
監督 ブライアン・デ・パルマ
脚本 ブライアン・デ・パルマ、ポール・シュレイダー



ヒッチコックの「めまい」に刺激を受けて制作された作品、とのふれこみですが、ヒッチコックをわざわざ引っぱり出すまでもなく、そもそもシナリオに無理がある、と私は思った次第。

前半は良かったんです。

妻子の誘拐、警察の不手際、フィレンチェでの偶然の再会、これいったいどうなるんだろう、と期待させるものがあった。

まあ、やっぱりオチですよね。

このオチだとサンドラの人物像に無理がありすぎる、と私は感じました。

人格が破綻してる、というか。

終盤のサンドラの動揺を鑑みるに、内面を全くおくびにも出さず、ああいう風にふるまうのはどう考えても無理だろう、と思うわけです。

どんな高度な洗脳を施されてるんだよ、と。

マイケルとロバートのいさかいをああいう結末にしたのもやや疑問。

もうどこにも救いがなくちゃうんですよね、これだと。

すべての真相が明らかになったあとも、なにも好転しないだろうと思えるやるせなさに気持ちは沈むばかり。

追い詰められた狂気を描きたかったにしてもアプローチに中途半端な印象は否めません。

ラストシーン、360度回転する流麗なカメラワークが監督らしいですが、デパルマ作品の中では低調な1作だと言わざるをえません。

熱心なファン向けですね。





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