中国 2011
監督 アンドリュー・ラウ
脚本 ゴードン・チャン、チェン・ジーシン



「ドラゴン怒りの鉄拳」のリメイクとして制作されたテレビシリーズ「精武門」の続編として発表された作品。

とりあえず冒頭10分ほどのアクションシーン、凄まじいです。

廃墟ビルの高層階から狙い撃ちされている状況なのにも関わらず、ナイフ片手に戦場に躍り出て、銃弾をかわしながら敵狙撃手を武技で次々と惨殺していくドニーイェンはもはや人間とは思えません。

つーかもう、あなた1人がいれば戦局がひっくりかえっちゃうじゃないかよ、というハイパーな超人ぶりに笑いすら漏れる有様。

こりゃとんでもないわ、とぐっと前のめりになったんですが、やはり問題はその後ですかね。

いや、期待させるものはあったんです。

グリーンホーネットのカトーを模倣したとしか思えぬいでたちには心躍りましたし、日本軍の進攻に素顔を隠して抵抗するシチュエーションには、ひょっとして1925年の香港を舞台に架空のヒーローものを作り上げようとしているのか、と興奮させられました。

しかしそれも中盤まで。

結局最後はドニーが単身敵道場に乗り込んで力で解決なんですね。

何がダメかって、地下組織の一員として日本軍に抵抗運動を繰り広げている以上、その結末は権力対運動の構図で顛末が描かれなきゃいけないはずなんです。

1人の超人が全部解決できるなら、前半のストーリーなんてはなから必要ないんですよね。

作り手自らが最後に全部台無しにしちゃってる、というか。

「ドラゴン怒りの鉄拳」が素晴らしかったのは、たとえカンフーの達人といえど押し寄せる軍隊には勝てぬことを凄絶に描いていたからであって、それを学習できてきていたならこんな無様なことにはならなかったのでは、とつくづく残念に思う次第。

名作になりそうな気配はあったんですけどね。

何も考えないでみるなら、終盤のドニーのヌンチャクアクションに注目、といったところでしょうが、リーの系譜をたどりたいのであればやっぱりこれじゃあよろしくないだろう、と。

光る部分もあるんですが総合的に色々惜しい一作。





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