アメリカ 1987
監督、脚本 ジョン・カーペンター



バチカンにもその存在を知られていない謎の教会の地下に「蠢くもの」の正体を暴くために集まった科学者チームの、身に降りかかる恐怖を描いたホラー。

原題はprince of darkness。

そうです、カーペンター版、悪魔もの、なわけです。

序盤、興味深かったのは、量子物理学まで持ち出して謎の存在の正体を暴こうとする展開。

オカルトVS科学のバーリトゥードがみられるのかあ、とわくわくしながら見進めていたんですが、残念ながらそこはさほどつっこんで言及されることはなし。

ただ切り口はよかったように思います。

学問の使徒が不可解な現象に翻弄させられることが怪異のリアリティを底上げしてる。

「蠢くもの」が床屋のサインポールみたいな造形で、みてくれなのが微妙なラインか、と思ったりもしたんですが、それがだんだん薄気味悪く見えてくるのだから、さすがの一言。

秀逸だったのはprinceの姿を最後まではっきり偶像化しなかったこと。

得体の知れない恐怖だけが、想像力に訴えかけてただひたすら増殖していくんですね。

この忌まわしさの演出はたいしたものだと思う。

SFチックに1999年から映像を飛ばす謎の存在も煽りとしては充分すぎるほど。

幾分チープさもあったりはするんですが、いや、これは怖かった。

物理法則を逸脱したなすすべのなさの描き方が素晴らしかったですね。

カーペンターの名作のひとつにカウントされていい1本だと思います。

恐怖の演出とはこうでなくちゃあ、と私は思いました。





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