フランス 2004
監督 ジャン=ピエール・ジュネ
原作 セバスチャン・ジャプリゾ



アメリのオドレイ・トトゥが主演ですんで、多くの人はアメリのようなコケティッシュでかわいらしいラブロマンス風のコメディを再び期待したのでは、と思うんですが、おや、これは・・・と、佇まいを正したくなるほど本気で大作でちょっとびっくり。

さすがに戦争が絡んでくると、そう呑気に菓子でも食いながら寝転がって見る、ってなわけにはいきません。

ジュネらしさ、は大きく損なわれていないように思うんです。

あきらかにアメリの文法を意識したであろう部分もいくつか目につきます。

きわどい笑いもこっそり忍ばせてありますし。

ただ、それ以上に作品自体のテーマが重かった、というのはありますね。

生死の確認できない帰還兵を、数年にわたって探し続けるヒロインの物語、となると、ジュネの悪ふざけもいささか相性が悪い。

どう作品と対峙すればいいのか、ちょっと戸惑ってしまう、というか。

とても丁寧に描かれた、重厚な作品だとは思うんです。

でも私はちょっと口にあわない味付けもあったりした。

エンディング、素晴らしい出来だと思います。

マネクにあそこであのセリフを言わせるか、と胸が熱くなりました。

でもやっぱりこれはジュネが取り組むべき題材ではないような、と思ったり。

なんとも評価しにくい作品です。

とてもよく出来ていることに異論はないのですが、まあ、古いファンと言うのは色々やっかいなもので。

オドレイ・トトゥじゃない人を抜擢したほうが素直に楽しめたかも、というのはあるかもしれません。





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