アメリカ 1982
監督 ジョン・カーペンター
原作 ジョン・W・キャンベル・jr



SFホラーの古典「遊星よりの物体X」のリメイク。

51年のオリジナルは見たことがないんですが、こちらの方がより原作に近い、との評判。

カーペンターの作品の中でも評価の高い1作ですが、ご他聞にもれず私も大好きだったりします。

なんだかんだいってですね、生体に憑依して、細胞を書き換えてしまう未知の宇宙生命の描写は衝撃的だった、と私は思うんですね。

かの有名なシベリアンハスキーの変態するシーンなんて、いまだに強く記憶に残ってますし。

後続の多くの作品がここから影響を受けていることは間違いないように思います。

あらためて見て私が感心したのは、犬にあたかも意志があるように振舞わせていること。

普通に犬がドアの影から室内を覗いてるだけのシーンがやたら怖いんです。

よくぞこんな絵が撮れたものだな、と唸らされました。

未知の宇宙生命に余計な意思表示をさせなかったのも秀逸。

知らぬ間に淡々と感染者が増えていく恐怖の描き方は敵の無慈悲さを言外に強く匂わせます。

南極基地、という助けの存在しない密室スリラー仕立てになっているのも素晴らしかったですね。

あとはエンディングでしょうか。

あえてハッピーエンドにしなかったのが荒唐無稽さを封じ込めているように私には感じられました。

また主人公と、敵対していたチャイルズの最後の会話が滅茶苦茶渋いんです。

うつろに燃え盛る炎とのコントラストがその寂寥感を見事に際立たせます。

古典のセオリーに従順すぎるきらいはありますが、いやこれは傑作でしょう。

侵略ものが好きな人には是非抑えておいて欲しい1本。





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