1989年初出 松本零士
リイド社 全2巻



東大名誉教授竹内均氏を監修に将来の日本のエネルギー問題について、原発をテーマに漫画形式で自説を展開した異色の一作。

創作風ですが、純粋な創作ではありません。

どちらかといえば小林よしのりのゴー宣に近い形式。

作品設定上の舞台は1999年なんですが、もちろんとっくに99年は過ぎ去っており、それ故、現実との齟齬、ズレがどうしたって生じてきているわけですが、それ以前の問題として、福島の事故を経験した今の日本において、なかなか素直にうなずけないものがいくつかあることは確かです。

感情論ではなく、暴かれた東電の欺瞞がごっそり抜け落ちている、と言う意味で、ですが。

全肯定も全否定もしていない、という微妙なポジションの結論は、やはり当たり障りなく前世紀の戯言、と揶揄されてもしかたないかもしれません。

とりあえず従来の松本作品とは一線を画します。

あえて読む必要もないのでは、と思ったりもします。

なにをやろうとしていたのか、ちょっと意図が読めない、というのはありますね。




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