1969年初出 石ノ森章太郎
竹書房文庫  全5巻



リュウシリーズ第三弾未来編。

カタストロフ後の未来の地球に不時着した主人公宇宙パイロットが、変貌してしまった地球でなんとか生きていこうとするドラマを描いた本格SF。
 
舞台設定は猿の惑星そのままだったりするんですが、肝心のオチをオープニングで明かしてしまっているので、その後の展開は全く予測不能なシリアスさ、イマジネーションに満ちており、火の鳥にも肉薄しようかと言う勢いで巨匠の想像力がスパークしてます。
 
いや、久しぶりに夢中で漫画を読みましたね。
 
どうするつもりなんだ?と最後までハラハラドキドキ。

ああ、これは70年代国産活字SFに対する漫画の挑戦状かもなあ、なんて思ったりもしました。

少年誌掲載とは思えぬほど遠大で大局的なテーマはあきらかにその手のファンを意識したやり口。

エンディングがまた強烈なんです。

パノラマ視現象を筆に宿らせたかのような叙事詩的展開は、類を見ない迫力で100ページ近くにわたり、神と人と宇宙を滔々と描写。

いやこれはちょっと凄いです。

誰もこんなことやってないし、出来ないと思う。
 
若干煙に巻かれたような感触がないわけではありません。

ヒロインの雑な扱いが気になったりもしました。

でも漫画でここまでやりきったと言う事実を私は高く評価したいと思います。

リュウシリーズの最高傑作であり、SF漫画黎明期の金字塔とよんで差し支えのない作品でしょう。

恐れ入った。

傑作。




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