1966年初出 水木しげる
講談社マガジンKC 全2巻



この作品も鬼太郎同様、シリアスな内容の貸本版があったり、壮大な構想を有した「悪魔くん千年王国」へプロットがリンクしてたりと、なにかとややこしいのですが、本作に限っては悪魔を使役する少年の活躍を描いた勧善懲悪もの、になってます。

うまいなあ、と思ったのは呼び出された偏屈な悪魔メフィストと主人公真吾との関係性の描き方ですね。

ソロモンの笛を使い、少年が老獪で姑息な悪魔を人助けのためにこき使う、という設定はなんとも痛快なものがありました。

西洋的宗教観の産物である悪魔と、日本の妖怪である油すましや百目が虚虚実実の駆け引きをし、妖力で戦う、という作話も斬新だった、と思います。

また各話のシナリオがよくできてるんです。

第2話「悪魔メフィスト」なんて、まさかのSF的展開で終幕ですし、第3話「なんじゃもんじゃ」なんて、もう怪獣パニックものに近い。

一話の精度は鬼太郎以上の発想と豊かなアイディアがあるように思いますね。

ものすごくあっけなく終わっちゃうのが残念なんですが、子供の頃はこの作品こそもっともっと読みたい、水木しげるの最も好きな漫画でした。

ちなみに88年から「最新版悪魔くん」というタイトルでリテイク版が連載されてますが、怖くて読んでません。

まあその、大事にしときたい、といいますか。

失望したくなくて、はい。




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