香港 2008
監督 チン・シウトン



なんだか寓話っぽいなあ、と思っていたら、中国の古い説話をモチーフにした作品だとか。

とりあえずドニー出演作だから、と、いつもの派手な大立ち回りを期待するとしっぺ返しを食らいます。

そういうシーンがないわけではないのですが、ドニーならではのこだわりみたいなものは希薄。

クレジットを見る限りではいつものアクション監督もつとめていません。

重要な役どころで出演しているのは確かなんですが、監督が描こうとしているのは燕国の女王と隠遁生活を送る元兵士との身分違いの恋であって、ドニーにあえて難しい演技やこれまでの殻を破ったものを期待しているようには思えませんでした。

最も大事なのは運命に翻弄される燕飛児をどう描くか、だと思うのですが、もっともっと劇的に出来たのでは、というのが正直な感想。

ドニーを突出させないならドラマで見せるしかないわけですが、燕飛児がなにゆえ段蘭泉に、すべてを棄ててもいいと思えるほどの恋をしたのか、それを表現し切れてない、と私は思いましたね。

終盤の展開も疑問。

一国の王女が丸投げで色恋に盲目になったのなら、その覚悟こそを描かねばならないのに、なぜ中途半端に戦場に戻ってくるのか、どんな尻軽だよ、と呆れることしきり。

挙句には元サヤって、ドニー無駄骨もいいところじゃないかよ、と。

表層的としかいいようがありません。

せめてドニーが超絶なアクションを披露してくれていたらそれもなんとか許容できたかもしれませんが、軸足が別のところにある以上、やっぱりこれじゃあダメだろうと。

いっそのこと合戦のシーンとか全部カットするぐらいの心意気でやればまた違った気もしますが、 これが監督の限界なのかもしれません。

ドニーファン向きではないし、それ以上のなにかも私には見出せませんでした。





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