フランス/カナダ 2013
監督 ジャン=ピエール・ジュネ
原作 ライフ・ラーセン



カウボーイであることを人生の指針とする頑固一徹なオヤジと昆虫学者の母親の間に生まれた天才少年の、壮大な家出を描いた一風変わった作品。

家出の目的地はスミソニアン学術協会。

子供であることを隠して応募した作品が協会から賞を受賞し、その表彰式に出席するため、なんですね。

貨物列車に違法乗車して、アメリカ大陸を横断する冒険の旅は、いくら天才とはいえ、子供ゆえの無軌道さがなんともスリリングでなんだか一生懸命お話を追っちゃう、と言うのはありました。

ジュネらしい遊び心も序盤から全開。

もうほんとにあってもなくてもいいようなふざけたシーンに一生懸命凝るもんだからくすくす笑いが漏れて仕方がない。

全体的にコメディ調ではあるんですが、描かれているのは天才少年の孤独と、孤立です。

どこにも居場所がない少年。

弟の悲劇がさらに少年の心に追い討ちをかけます。

あ、うまいな、と思ったのは、少年にとって新天地であるはずの場所ですら、少年を利用しようとする俗物の住処で更なる狂騒が孤立を深めるだけになる、という描写ですね。

アメリカという国に対する皮肉なのか、マスコミ批判なのか、これは見事だな、と私は思いました。

少年にとっての救いはどこにあるのか。

その答え、オチはまあ、わかりやすくアットホームな感じです。

ちょっと大げさにバイオレンスな演出のしすぎか、とも思いましたが、あなたをちゃんと見てくれている人はいる、と語りかけるかのような心優しいエンディングは素直に良かったね、といいたくなりましたね。

母親のセリフが印象的。

広く万人が楽しめる作品だと思います。

新境地、ってほどではないですが、私はミックマックよりも良い、と感じました。





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