1969年初出 藤子不二雄A
中公文庫 1巻(全5巻)



いったいこれってなんなんだろ?と昔読んだときも頭を悩ませましたが、今再読してみてもよくわかんねえなあ、ってのが正直な感想。

ホラーと言えばホラーなんでしょうけど、純然たる悪意が無差別にお節介、という物語の構造は何かを暗喩しているようでもあり、その実小心者な小市民をそそのかしていじめてみんなで楽しみましょう、といってるだけという気もしないでもない。

なんとも共感しにくい。

喪黒福造が誰彼かまわず無差別に悪意の罠を仕掛けるならともかく、標的となっているのは決まって人の良いサラリーマンばかりなんですね。
 
昔著者が少年誌に掲載した「魔太郎」がゆがんだ精神状態のまま大人になったら喪黒福造になるかもな、と思ったりもしました。
 
結局喪黒とは何者なのか、と言う部分に物語が言及していたらまた感触も違ったのかも知れませんが、いまのところ単に読後の後味の悪い変なマンガ、というだけ。

著者のブラックユーモア短編集と近い質感。

結局根底にあるのは弱者の屈折したサディズムでしかないのでは、と私は思いました。
 
うーん、あまり好きになれません。




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