1979年初出 永井豪
講談社 全6巻



今更超能力ネタ?と個人的には連載当初から幾分醒めていたのは確か。
 
79年といえど、サイキックなアプローチのあれこれがすでに手垢な印象はどこかあったように思うんです。
 
なんとなく惰性で読んでいた部分は否定できないんですが、それも物語後半にさしかかって少し印象が変わる。

どうやら日本書紀、古事記が作品のモチーフになっているようなんですね。
 
これはひょっとして意外なところに着地するかも、と、ドキドキしながら見守っていたんですが、これから、ってところであっけなく未完。

脱力。

永井豪本人は未完は当初からの計画だった、みたいな事を言ってましたが、だったら青沼みたいなキャラを最後に出して含みを持たせるようなことはしないだろう、と私は思います。
 
その後、角川書店から続編が発売になりましたが、どこか別物な印象。
 
永井泰宇が原作をノベライズした「凄ノ王伝説」の影響なんかもかなりはいっているようで、らしからぬ展開が続いてこれまた途中で未完。
 
さらにその後講談社から超完全完結版と銘うって角川版にページを追加した再編集版が刊行され、やっと終わったらしいんですが、これはもう読んでません。
 
結局のところ、物語の行き着く先を決めず、見切り発車で連載を続ける永井豪の執筆のやり方が加齢とともについに限界、破綻した、ということなのだと思います。

ハレンチ学園で吹きこぼれた、社会に対する憎悪、カタストロフへと至る怨念みたいなものが枯れた、という事なのかもしれません。
 
私にとっては稀代の天才の終焉を彩る一作。

余談ですが、少年誌で臆すことなくヒロインのレイプシーンを描ききったのはこの凄ノ王が初めてだったかもしれません。

それをどうとらえるべきなのか、答えは出てないんですが、それが著者の何を変えたか、はまた別のページで書きたいと思います。



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