1979年初出 小池一夫/永井豪
集英社ヤングジャンプコミックス (1~3巻)全10巻



あの永井豪が小池一夫を原作に迎える?というだけで当時はえっ?って感じではありました。
 
他の漫画家が逆立ちしても描けない様な名作をいくつも生み出してきた人が、なぜいまさら小池劇画?と脳内にはてなマークがいくつも飛び交った。
 
それ以前にお互い噛み合わないんじゃあ、とも私は思ったんですが、結局それなりに人気を博し、作品は全10巻を刊行。

まあでも昔からのファンにとって、これは永井豪の漫画ではない、という人も多いのではないでしょうか。
 
やっぱりこの作品って、絵柄が永井豪なだけで、内容は揺らぐことなく小池一夫なんですよね。
 
むしろ永井豪の絵であることに違和感を覚えるほど。

この内容なら別に芳谷圭児とか叶精作とかでも良かったのではないか、思います。

というか微妙に「魔物語愛しのベティ」とかぶってないか、と。
 
最後まで読んでないので断言はできませんが。
 
永井豪が本格的に青年誌に活躍の場を移したのが本作であり、「青春一番」だった、と記憶してるんですが、なにが劇的に変わったか、というと、これまで寸止めのエロスで少年読者を釘付けにしてきた人が、正面からセックスそのものを描くようになったことだと私は思います。

永井作品と性は切り離せないものがあるのはまちがいないんですが、ノリや絵柄は変わらないまま即物的な描写、ってこの作品以前はありませんでしたし、そこにどうしてもぎょっ、とするものを感じてしまう、というのはありました。

いや、暗喩するものとしてとんでもない性の深遠をこれまで行間に含ませてきた漫画家なのは間違いないんですが、それが別物であるかのようにいきなり露骨にやられちゃうとですね、何故今更あなたがそれをしなけりゃならないのだ?とどうしても思っちゃう。

いうなればこれまでパンチラで100万語の語りかけをしてきたグラビアアイドルがですね、いきなりオールヌードで無修正を披露して全部見せちゃったことで、なんだこんなものか、と幻想が砕かれてしまった、とでもいうか。

余計わかりにくいし、ちょっと意味的に違うか、すいません。

本当にエロチックで思わず食い入るように見ちゃう女性の絵を描く人は他にたくさん居ると思うんです。

でも永井豪はエッチであっても、性欲そのものを描いて煽るような漫画家ではなかった、と私は認識してるんです。

どうにも私にはしっくりこない作品ですね。

小池一夫の計画的なストーリーテリングと作者の資質が合致してない、とも感じました。

なにかと問題作、と思うのは私だけでしょうか。



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