1990年初出 永井豪
扶桑社 全6巻


マジンガーZをきちんと描き直したい、という著者の意向により、セルフリメイクの形で始まった作品だと記憶してます。
 
本作ではマジンガーZ自体がすでに巨大ロボットではなく、全身にまとうスーツ型の兵器として再設定されており、舞台も近未来の火星。
 
しかも敵は謎の火星生命体という、思いのほかガチでSFな内容。

ものすごく気合が入ってる、ってのは実感しました。

画風すら若干変えてきてるんですね。

描き込みの細かさはこれまでの作品の中ではトップクラスかも、とすら思いました。

兜甲児が直情的な正義漢ではなく、どこか中性的できゃしゃな青年、として描かれているのもきちんと当時の読者層をリサーチしているなあ、と感心。

さらに私が驚いたのは、永井豪お得意のカタストロフがいきなり序盤で炸裂していることです。

これまでの永井SF漫画の主人公たちはおおむね自分の感情を爆発させるなり、巻き込まれるかたちで最終的にカタストロフを主導するわけですが、マジンサーガにおいてはその後から物語がスタート。

つまり「どう償うのか」をテーマとした贖罪のストーリーになってるわけなんですね。 

正直凄ノ王以降低迷していた永井豪にしては久しぶりに興味のもてる内容でした。
 
先の展開が全く読めない、というのもあった。
 
いったいどう終わらせるつもりなんだろう、とドキドキしながら読んでたんですが、ある日突然あっけなく執筆中断。

そして未完。

なにも言うことはありません。

もしこの作品が完結していたら間違いなく永井豪90年代の大傑作になっていたはずなのに・・・とただただ喪失感。

ここが巨匠最後の輝きだったのかもなあ、などと思う今日この頃。




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