1976年初出 楳図かずお
小学館少年サンデーコミックス 全5巻



妖怪の子として生まれたが、人に育てられたが故、人の味方をしてしまいがちな猫目小僧の怪異譚を綴った作品。

猫目小僧は私の読んだ少年サンデー掲載版以外に、67年から少年画報社で連載されたバージョンがあり、おそらくはそちらを先に読むべきなんでしょうが入手できず。

後に発売になった朝日ソノラマの単行本や、小学館の豪華版がどの原稿を収録しているのか不明。

この全5巻に関してのみ言うなら、前半は鬼太郎風の妖怪退治もの、後半は主に猫目小僧が狂言回し的な立ち位置で心理ドラマを描く、といった按配。
 
アクションに舵を切りそうになったり、グロテスクなホラーだったり、美醜を問う哲学的な内容だったりと、なにかと定まらない、というのはありますね。
 
そもそも猫目小僧自体がなにゆえ放浪で、いったい何を考えているのかよくわからなかったりはするんですが。

ここから「おろち」につながったのかな、なんて思ったりはしますが、リアルタイムで接していない分、それほどひきつけられるものはなし。

楳図さんの場合、動きのある絵がダメなんで、そこでつまづいた、というのも正直なところ。

アニメでファンになった人向きの作品だと思います。

著者70年代以降のSFやホラーに傾倒した私のような人間からしてみると、キャラ作りの部分で、なんだからしくない、と言う印象を受けました。

余談ですが小学館の豪華版では幻の最終回が加筆の上、収録されてるそうです。



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