音楽性の変遷が激しすぎてなにをやりたかったのか、よくわからないバンドではあるんですが、それでも1stはギターレスの鍵盤ロックバンドとしてプログレに近接した好盤だと思います。



このバンドが特徴的だったのは、キーボードメインながら過剰にクラシックやジャズに傾倒することなく、野太くブリティッシュロックだった点でしょうね。

ブルージーと言ってもいいと思う。

キーボードのヴィンセントクレインは好事家の間であまり名前が話題に上らぬプレイヤーではありますが、ソロイストとして目立つ存在ではないにせよ、私はソングライターとして才のある優れたミュージシャンだと思っています。

普通に曲がいいんですよね。

ベース不在をキーボードで埋める器用さなんかもバンドサウンドを担う一角として自ら徹しているようにも思えて、好印象。

1stは結構ヘヴィローテーションでした。



私が仰天したのは2nd、death walk behind you。

EL&Pに加入するために脱退したカールーパーマーの後釜をポール・ハモンドで埋め、ジョン・カンのギターを前面に押し出した作品なんですが、なんとも陰鬱にドゥーミーなハードロック。

ブラックサバスかよ、って。

リーダーのヴィンセントクレイン、これで納得してるの?と言うのが初めて聴いた時の私の疑問でした。

キーボードなくても別に大丈夫じゃないか、と。

プログレからは完全に遠のき、ヘヴィ志向の強まった作品ですが、この重苦しさの中でそこはかとなくキャッチーなアプローチもある、というのがひょっとしたらクレインの手腕だったのかもしれません。

その後、安定しないメンバーのせいか、ファンクっぽくなったり、ソウルフルになったりと、めぐるましく変わったらしいんですが、私は聴いてません。

もう2ndでお腹いっぱい。

ただ、じゃああんまり好きでもないのか、と問われると、そうでもなくて、不思議に記憶に残ってるバンドだったりはするんですよね。

聴きやすさが親しみやすさにつながったりしたのかな、と今は思いますね。



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