アメリカ 1993
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
脚本 デヴィッド・ヘンリー・ホアン



2015年現在、未DVD化。

VHSは結構出回ってるみたいです。

トニー賞を受賞した戯曲の映画化なんですが、公開時はなにかと酷評されてましたね。

「戦慄の絆」でアイデンティティと性に着目したクローネンバーグのその後の作品としては、順当な題材選びだったかと思いますが、いかんせんジョン・ローンという当時の人気俳優をキャスティングしたのが失敗だった、と私は思う次第。

ジョン演じる京劇の女形を男と知らず恋してしまったフランス人男性の悲劇を描いた作品なんですが、どう見てもですね、男なんです、その女形。

そりゃこの頃のジョン・ローンはすごい美形ですよ。

でもね、美形だからと言ってメイクを施せば女に見えるか、といえば、そりゃ認識が甘い、としか言いようがなくて、ニューハーフのお姉さん方の苦労をなんと心得る、といぶかしむわけであって、私は。

いや別にニューハーフな方々の肩を持つわけじゃないですけど。

同じ東洋人だから余計にそう思うのかも知れませんが、もうね、どこをどう切っても完全にオカマなんです、ジョン。

そんなジョンを女だと思ってメロメロになってる主人公ガリマールを切々と丁寧に描写されてもですね、茶番としか思えないわけであって。

なんのゲイムービーなのか、と。

いや、ゲイムービーが悪い、と言ってるんじゃないですよ。

そう見せようとしてないのに、結果的にそうなっちゃってるのがダメなわけで。

いったいどういう腐女子向け作品なのか、と。

クライングゲームみたいにすることも出来たはずなんですよね。

それをあえてそうしなかったのはジョン・ローンという顔の売れている俳優が出演していることと、その女装に監督が絶対の自信を持っていたことに他なりません。

やっぱり西洋人と東洋人の審美眼の違いなんでしょうかね。

あえて名の知れていない、東洋系のもっと小顔の俳優を探してくることも出来たはずだと思うんですけど、 クローネンバーグ、いったい何を考えていたのか。

さらにですね、ガリマールはジョン演じるソン・リリンと情交を何度も重ねたりもしているわけです。

もうね、いくら実話が下敷きになっているからと言って、あなた、気づかないはずがないだろうと。

いくら着衣のままの性交とはいえ、後ろと前の違いすらわかんねえのかよ、と。

ガリマールは一切股間には触れなかった、って、何年も一緒に過ごしてたらはからずも触れてしまうこともあるだろうよ、って。

下品ですいません。

エンディングも不可解。

なんで刑務所で独り舞台?

唯一、なるほど、と思ったのは、男が演じる女こそが女として完璧なのだ、と言及していた点ぐらいですかね。

問題作、というよりは意図せぬ怪作ですね。

いっそのことガリマールがゲイに目覚めてくれたほうが愛の映画としてスッキリしたような気さえする。

いや、ジェレミーアイアンズはほんとよくがんばった、と思います。

ジェレミーにただただねぎらいの言葉を送りたい、もうそれだけですね。

さすがのクローネンバーグも目測を誤った、と思える珍品。





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