アメリカ 2004
監督 ギレルモ・デル・トロ 
原作 マイク・ミニョーラ



人間に育てられたが故に、悪魔の子でありながら人を守って魔物と戦うヘルボーイの活躍を描いたSFアクション。

アメコミの映像化作品なわけですが、ああこれはよく出来てるなあ、と私は感心しましたね。

うまい、と思ったのは、異形であり、人と相容れぬ存在であるのに、人のために体を張るという悲哀を大仰にせずさりげなく演出していること。

例えば、仕事で外に出る時以外は厳重に鍵をかけられたヘルボーイの個室。

その部屋にはなぜか数十匹の猫。

ヘルボーイはいつもワイルドで無頼な口を利き、自由気ままに振舞い、周りを困らせてるんですが、それも実は埋めきれぬ疎外感、孤独感を常に感じているせいではないのか、と思えてくる場面だったりするわけです。

そういうのをタフさの裏側にちらりとみせてくるんですよね。

角を途中でへし折ったダークヒーローらしからぬデザインも私はいいと思います。

見るからに怪物然とした赤鬼風の巨体は、かっこよさみたいなものから距離を置いているだけにその存在感が異様に際立つ。

今は味方だけど紙一重の魔物でもあるんだ、と実感させると言うか。

ほとんど怪獣大決戦みたいなアクションシーンも良。

シオマネキみたいな巨大な右腕でクリーチャーにガンガンパンチをぶち込む様は問答無用で迫力満点。

ヘルボーイを演じたロン・パールマンはあたり役でしたね。

ラスプーチンやナチスの将校等、敵キャラも強い個性があっていい。

唯一残念だったのはエンディングの流れが幾分引っ掛かり気味に感じられたことですが、まあ瑣末事でしょう。

アメコミ原作作品としてはかなり上位に位置する出来、と言えるのではないでしょうか。

デルトロの並々ならぬ思い入れが感じられる一作。






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