1988年初版 山上たつひこ
秋田書店プレイコミックス



中国四大奇書のひとつと言われる金瓶梅を漫画化したもの。

原作は読んだことないんですが、大金持ちの色事師、西門慶の奔放な女遊びを描いた小説らしく、本国では官能小説として知られ、何度も発禁処分を受けた作品であるとか。

わたなべまさこや他の漫画家も作品化してますんで秘かに人気の題材なのかもしれません。

もちろん山上たつひこですんで原作どおり進むはずもなく、官能はより下品に、登場人物は総じてギャグ漫画的に、お笑い一直線でアレンジされてます。

原作のあらすじを読んだ限りでは愛憎渦巻く昼ドラみたいな感じで、エンディングもどこか宗教的に輪廻転生を語っていたりするんですが、本作ではその手の「重さ」は一切なし。

単純にエロくてばかばかしくて大笑いできます。

印象的だったのは著者が最後に救いとして描いたのが、ささやかな家庭のささやかな幸せであったことで、あーこれはこれで確かにありかもな、と変に納得させられましたね。

真面目に金瓶梅を知ろうとするにはまったくもって不向きだとは思いますが、それなりにストーリーがあるギャグ漫画として著者のカタログの中では興味深い一作になっているように思います。

私は好きですね。

原作つきとはいえ明代中国を舞台にしたギャグ漫画なんて、他には存在しないですよ。



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